問5
ファイルの突合せ処理に関する次の記述を読んで,設問 1 〜 4 に答えよ。
R 社は通信販売業者である。 R 社の顧客管理システムの概要は,次のとおりである。
(1) 広告の実施:毎月 1 回,新聞とダイレクトメール(DM)によって商品の広告をする。 DM は過去に商品を購入したことのある顧客(既存顧客)に郵送する。
(2) 商品購入申込みの受付:DM に同封した専用の申込みはがき(以下,専用はがきと呼ぶ)による商品購入申込みの場合は,既存顧客からの申込みとして処理する。 専用はがきには,顧客番号をはじめとする情報があらかじめ印字してある。 新聞広告をみて,専用はがきを用いずに商品購入申込みをしてきた場合には,新規顧客として顧客データベースに登録する。 顧客データベースの更新処理は,決まった曜日に一括して行う。
R 社の顧客データベースには,顧客の郵便番号,住所,氏名,電話番号,過去 1 年間の申込み実績などが記録されている。 (2) で述べた新規顧客を,顧客データベースに登録する際,顧客カウンタを使って顧客番号を付与する。
顧客データベースに登録されている顧客が,専用はがきを用いずに申し込んできた場合は,新規顧客として顧客データベースに登録されてしまう。 その結果,同一顧客が顧客データベース上に別顧客として登録される事例(重複顧客)が発生する。 このとき,住所表記の省略の仕方などが異なっている場合がある。
顧客の重複は DM コストの無駄にもなるので,重複顧客の名寄せ(同一人の登録データをまとめること)を行うことにした。
当初は名寄せを,手作業で行うことにした。 そのための資料として,顧客データベースの内容を様々な順序(例えば,氏名順,住所順,電話番号順など)で整列して各種のリストを出力した。 これらのリストをもとに,同一顧客かどうかの判定をし,重複顧客のデータをまとめた。 しかし,現在の顧客データベース更新方式のままでは,期間が経過すると,再び顧客の重複が発生してしまう。
そこで,名寄せキー及び名寄せ用顧客マスタファイルを用いた,図 1 の名寄せキー作成及び顧客データベース更新処理と図 2 の名寄せ用顧客マスタファイル更新処理で,重複の発生防止状況を観察することにした。
名寄せキーとは,郵便番号,住所,氏名及び電話番号を一定の形式に変換したものであり,突合せ処理に使用する。 手作業での名寄せの経験を基に,例えば,“東京都港区虎ノ門一丁目 16 番 4 号”と“港区虎ノ門 1 − 16 − 4”を同一住所と見なすための工夫が,名寄せキーにはなされている。
名寄せ用顧客マスタファイルは,顧客データベースの内容に名寄せキーを付加し,名寄せキーの順番に並べ替えたものである。
申込みデータ(図 3)を作成するとき,専用はがきによる申込みの場合にだけ顧客番号を入力する。 それ以外の場合は,空白にする。 また,専用はがきの場合,住所などの変更記入があるときだけ,申込みデータに郵便番号,住所,氏名及び電話番号をすべて入力する。
顧客番号
郵便番号
住所
氏名
電話番号
申込日
備考
申込内容
商品コード
数量
…
図3 申込みデータの様式
(1) 顧客番号のあるデータは, する。
(2) 顧客番号がなく,一致する名寄せキーが名寄せ用顧客マスタファイルに存在した。 その場合 し, する。
(3) 顧客番号がなく,一致する名寄せキーが名寄せ用顧客マスタファイルに存在しなかった。 その場合 し, 変更したデータを U ファイルに出力する。
解答群
ア T ファイルの顧客番号を取得
イ T ファイルの郵便番号,住所,氏名及び電話番号を取得
ウ 顧客カウンタを用いて,新たな顧客番号を取得
エ そのまま U ファイルに出力
オ 名寄せキーを再作成
カ 名寄せ用顧客マスタファイルの顧客番号を取得
キ 名寄せ用顧客マスタファイルの名寄せキーと照合
ク 名寄せ用顧客マスタファイルの郵便番号,住所,氏名及び電話番号を取得
ケ 変更したデータを U ファイルに出力
名寄せキー
ア S ファイル イ T ファイル
ウ U ファイル エ V ファイル
オ 顧客カウンタ カ 名寄せ用顧客マスタファイル
キ 申込みデータ
ア 既存顧客のデータは,そのまま X ファイルに出力する。
イ 既存顧客のデータは,名寄せキーを更新する。
ウ 既存顧客のデータは,抹消する。
エ 既存顧客のデータは,郵便番号,住所,氏名及び電話番号を更新する。
オ 新規顧客のデータは,顧客番号順の該当箇所に挿入する。
カ 新規顧客のデータは,名寄せキー順の該当箇所に挿入する。
キ 新規顧客のデータは,名寄せキーを作成する。