研究内容
エネルギー・環境問題に対する化学的アプローチ、
そしてこれに関連して人工光合成の構築を研究室の大きなテーマとして研究を進めています。
この目標を達するためには、
光とe-(電子)、
が関わる新しい機能性化合物の開発が不可欠であります。
そこで、いろいろな無機化合物(主に、構造規則性を有する酸化物)を合成して、
それらの光および電気化学的な物性や反応性を調べています。
また、固体表面の反応性という観点からも研究を行っています。
次に、具体的なテーマを示します。
光触媒による水の分解反応
・どうして光触媒による水の分解なのか
水を分解すると水素と酸素になります。
このことは、水の電気分解でなじみの深い反応であることでしょう。
水素は、燃やしても無害な水にしかならないので、クリーンエネルギーとして注目されています。
地球上で無尽蔵に存在している水から水素を取り出す事は、地球規模で進んでいる環境問題
(地球温暖化)に対する解決策の一つであると考えられています。
水から水素を取り出す一つの手段として、光触媒による水の分解があります。
水を分解するには、エネルギーが必要です。
光エネルギーを利用して“水を分解しよう”というのが、光触媒を用いた水の分解反応です。
当研究室では、主に半導体を用いた不均一系光触媒で反応を行っています。
下図に不均一系半導体光触媒による水の分解反応の原理を示します。

半導体にバンドギャップ以上のエネルギーの光を照射すると価電子帯の電子が伝導帯へと励起されます。
このように励起された電子は、水を還元し水素を生成し、一方で価電子帯に形成されたホールは、水を酸化し酸素を生成します。
このようにして光触媒による水の水素と酸素への分解反応が進行します。
このように、一見簡単そうに見える反応ですが、実際にはいろいろな要因が関わってくるので、光触媒により水素と酸素を同時に生成する“水の完全分解”は困難な反応となっています。事実、紫外光照射下で、水の完全分解反応に活性を示す光触媒は、だいぶ高活性なものも開発されていますが、可視光照射下で水の完全分解反応に活性を示す光触媒はあまり報告されていません。
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・光触媒による水の完全光分解反応
当研究室では、タンタル系複合酸化物の多くが、水の分解反応に対して高活性を示すことを見出してきました。
その中でも特に、La3+をドーピングしたNaTaO3では、活性が最も高く、世界一の活性となっています。
この触媒では、水から、水素と酸素をそれぞれ、500, 250ml/hで生成することができました(400W高圧水銀灯使用)。
ここをクリックすると、その時の様子を動画で見ることが出来ます。(200W Hg-Xg lamp,純水の完全分解)
(NTL_New.AVI 約3秒の動画です。自動的に開かない場合は一度downloadしてからQuickTimeで再生してください)
このように、非常に高い活性の光触媒を開発できましたが、
この光触媒は、310nm以下の紫外光のしか吸収しないため、太陽光照射での活性は期待できません。
そこで、新たなステップとして、光触媒の可視光応答化を試みています。
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・可視光応答光触媒の開発
可視光応答光触媒には大きく分けて、3種類のものがあります。
(1) 初めから小さいバンドギャップ(<3eV)を持つ半導体
(2) バンドギャップの大きい半導体を修飾し、
バンドギャップ内に新しい準位を形成させたもの
(3) バンドギャップの大きい半導体を増感色素で修飾したもの
当研究室では、(1), (2)のケースについて新規の可視光応答光触媒を開発しています。
まず(1)のケースについて、BiVO4がAg+などの酸化剤存在下で可視光照射下、水から酸素を生成することを見出しました。
このBiVO4では、Bi3+が可視光応答の鍵を握っていると考えています。
(2)のケースについては、他の研究室でも精力的に研究がなされています。
このケースの光触媒の開発で鍵となるのは、ベースとなる光触媒の活性を維持したまま、
半導体のエネルギーギャップを小さくし、可視光(>420nm)に応答性を持たせることです。
当研究室では、紫外光照射下で還元剤存在下、水から水素を生成できるZnS(バンドギャップ3.7eV)
をベースとした可視光応答光触媒を開発しました。
この光触媒では、ZnSの結晶格子に銅やニッケルなどの遷移金属イオンをドーピングすることで、可視光応答性を持たせています。
一般に水素生成に活性を示す光触媒では、白金のような助触媒の助けが必要です。
しかしこのZnSをベースとした光触媒では、白金の助けを必要としないところにも特徴があります。
ここをクリックすると、その時の様子を動画で見ることが出来ます。
[Na2SおよびK2SO3を含む水溶液からの擬似太陽光照射下における水素の生成反応]
(CuAgS.mpg 5,651KB 約10秒の動画です。自動的に開かない場合は一度downloadしてからQuickTimeで再生してください)

閉鎖循環系(光触媒活性評価)
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・Z-Schemeによる水の可視光分解反応
当研究室では,単一の光触媒を用いて水を水素と酸素に分解する研究とともに,植物の光合成メカニズムである二段階光励起(Zスキーム)を模倣した光触媒系の研究も行っています。下図にそのZスキーム型光触媒系の反応メカニズムを示します。酸素生成光触媒上では,励起電子により電子伝達系の酸化体が還元体に還元され,正孔により水が酸化されて酸素が生成します。一方,水素生成光触媒上では,正孔により還元体が酸化され,励起電子により助触媒上で水を還元して水素が生成します。そして,電子伝達系は消費されることなくレドックスを繰り返すことで,全体では水の完全分解が進行します。また,太陽光照射下において水分解反応の進行が確認しています。

Z-Schemeの原理
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・光触媒による他の反応
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光照射によって電子とホールが形成される光触媒には、
他の反応についても有効なものがあります。
例えば、NOxの分解反応と二酸化炭素の還元反応等です。
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構造規則性(層状、柱状、トンネルなど)を有する酸化物の光化学

蛍光分光測定装置
発光は、蛍光灯や発光ダイオードなどに見られるような非常に身近な現象であります。
また、光合成などの光化学プロセスに関係するもっとも基礎的な過程の1つであります。
ここで、層状や柱状酸化物は低次元構造をとることから、新しい機能性が期待されます。
そこで、これらの構造規則性を有する酸化物を用いて,発光などの光化学の研究を行っています。
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電極表面の触媒作用

電解反応
CO2やNOXなどの小分子が電極表面でどのように反応して何が生成するのかを研究することは、電極触媒作用の観点から重要な課題であります。
そこで、種々電極材料を用いてこれらの小分子の電極表面上での触媒作用の研究を行っています。
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