[研究テーマ]
新奇な物性を示す超伝導体および新規超伝導体の研究開発

1. マルチバンド超伝導体において誘起される量子磁束の研究

 多くの超伝導体では、ある温度以下で1つのバンド内の伝導電子がクーパー対を形成し、超伝導が起こる。これに対し、マルチバンド超伝導体では複数のバンドの電子が超伝導に寄与する。マルチバンド超伝導体において磁束量子が存在する場合、磁束量が分数値になるなど新奇な現象が起こることが理論によって指摘されている。当研究室は、NIMS、AISTと共同で分数磁束の観測に成功した。我々は、分数磁束を利用した量子ビットの作製などをめざし研究を行っている


2. 鉄系高温超伝導体の研究
 鉄系超伝導体は、2008年に日本人によって発見された物質で、最高で55Kの超伝導転移温度を示すなど、非常に興味を引く物質である。現在その超伝導メカニズムや銅酸化物超伝導体との類似性などが世界中の研究者によって注目されている。当研究室では、鉄系超伝導体のメカニズムの解明から線材開発までいろいろな研究を行っている。


3.新規超伝導体の探索
 転移温度が高い超伝導体などユニークな特性をもつ超伝導体の発見をめざし、新物質の探索を行っている。これまでに見つかった系とは異なる、まったく新しい系の発見をめざしている。



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