研究紹介

 電子の反粒子である陽電子は、放射性同位元素のβ+崩壊や高エネルギー制動放射γ線からの電子・陽電子対生成によって発生させることができます。発生する陽電子の運動エネルギー分布は数MeVを終端とする連続スペクトルを有しているため、そのままでは利用できませんが、減速化技術によって応用可能なビームを生成することが可能です。
 種々の金属表面は陽電子に対して「負の仕事関数」を持っています。こうした表面に陽電子が入射すると、物質中でエネルギーを散逸した後、熱拡散して表面に戻り、その一部は表面から自発放出されます。この時の放出エネルギーは数eVよりも低いため、結果として陽電子が減速されます。上述の過程で得られる陽電子を加速して用いれば、単色可変の「低速陽電子ビーム」が得られます。このビームを様々な物質中に打ち込み、その衝突・対消滅過程や複合粒子の形成過程を調べることで、原子物理学、固体物性の研究を行うことができます。
 本研究室では、低速陽電子ビームを用いた以下のテーマを中心に研究を進めています。

     ・ポジトロニウム負イオンの研究
     ・固体表面におけるポジトロニウム、ポジトロニウム負イオンの形成ダイナミクスの研究
     ・単色可変ポジトロニウムビームの開発
     ・陽電子-気体原子・分子散乱の研究

エキゾチックな束縛状態 -ポジトロニウム負イオンの研究-

 準備中


単色可変ポジトロニウムビームの開発

 準備中


陽電子-気体原子・分子散乱の研究

 準備中