[更新日]1998.05.15
問3 コード設計に関する次の記述を読んで,設問 1,2 に答えよ。
受注業務のシステム化に当たって,必要なコードを設計する。入力の誤りを 検出しやすくするため,各コードに対して,剰余演算を利用した検査文字 (チェックキャラクタ)を 1 けたずつ付加することを検討している。
コード化の対象は,担当者,取引先,受注区分及び商品分類であり, それぞれ 4 けた,3 けた,1 けた,4 けたの数字で構成される。
〔剰余演算による検査文字の算出方法〕
担当者コードを例に,剰余演算を利用した検査文字の算出方法を説明する。
(1) 担当者コードの下位のけたから順に,2,3,4,5 の重みを付ける。
(2) 担当者コードの各けたの数値と対応する重みの値とを乗算する。 各けたについて,乗算結果が 2 けたの場合には,1 けたずつに分解して 加算する。例えば,乗算結果が 12 の場合には,1 と 2 に分けて加算し 3 と する。また,乗算結果が 28 の場合には,2 と 8 に分けて加算すると 10 に なるので,さらに 1 と 0 に分けて加算し 1 とする。
(3) (2) で求めた各けたの計算結果をすべて加算する。
(4) (3) の加算結果を 11 で割った余りをそのまま検査文字とする。 ただし,余りが 0と 10 のときは,検査文字を 0 とする。
設問1 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
〔剰余演算による検査文字の算出方法〕の (2) の算出方法を,次のように 簡略化しても,算出結果は検査文字として使用できると考えた。
(2) ' 担当者コードの各けたの数値と対応する重みの 値とを乗算する。各けたについて,乗算結果が 2 けたであっても,そのままと する。
担当者コードが 6384 の場合,算出方法を変更する前の検査文字は となり,変更後の検査文字は となる。
解答群
ア 0 イ 1 ウ 2 エ 3 オ 4
カ 5 キ 6 ク 7 ケ 8 コ 9
設問2 これらの方法では,コード入力の誤りを検出できない場合が あることが分かった。(2)' を採用したとき, 1 けただけの誤りの有無を完全に検出できるようにするには,どうすれば よいか。正しい答えを,解答群の中から選べ。
ア 算出方法 (1) を変更し,コードの下位のけたから順に,1,2,3,4 の 重みを付ける。
イ 算出方法 (1) を変更し,コードの上位のけたから順に,2,3,4,5 の 重みを付ける。
ウ 算出方法 (4) を変更し,余りが 10 のときは検査文字を 9 とする。
エ 算出方法 (4) を変更し,余りが 10 のときは検査文字を A とする。
問4 ファイルのアクセス方式に関する次の記述を読んで,設問 1 〜 3 に 答えよ。
あるパソコン上で,データをファイルに格納するために,ハッシュ表を 用いたアクセス方式のファイルシステムを実現することになった。
〔格納するデータの説明〕
(1) 固定長レコードで,各レコードはキー部とデータ部からなる。
(2) キーの値は,整数値であり,重複はない。
(3) データ数は,最大 3,000 件である。
(1) ハッシュ表にはレコードのキー値を格納する。 ハッシュ表の内容は空値で初期化されている。
(2) ハッシュ表のエントリ個数(ハッシュ表の大きさ)は,5,000 とする。
(3) レコードのキー値を格納する位置(エントリ位置)は,次の式で求める。
エントリ位置 = キー値をエントリ個数で割った余り
(4) 異なるキー値から,同じエントリ位置が求められた場合を衝突という。
このとき,新たなエントリ位置を次の式で求める。
新たなエントリ位置 =(最初のエントリ位置 +( 3 × 衝突の回数)の 2 乗) をエントリ個数で割った余り
この操作を衝突が起こらなくなるまで繰り返す。
(5) レコードのデータ部へのアクセスは,エントリ位置によって一意に 決まる。
このファイルシステムに,エントリ位置が 1,5,14,50 及び 130 の 5 件のレコードが存在するとき,キー値が 10005 のレコードを格納しよう とすると,衝突は, 。
ア 1 回起こる イ 2 回起こる ウ 3 回起こる
エ 4 回起こる オ 起こらない
設問2 次の流れ図は,このファイルシステムからのデータの取出しを 示したものである。図中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
ア k = m イ k = p ウ p = m エ p < 5000
設問3 このファイルシステムに 3,000 件のデータを格納した後, キー指定による全件の取出しを行った。 1 回目のハッシュ表の参照で取り出すことができたデータは 2,748 件, 2 回目で取り出すことができたデータは 204 件,3 回目で取り出すことが できたデータは48 件であった。 このとき,1 件のデータを取り出すための,ハッシュ表の平均参照回数を, 解答群の中から選べ。
ア 0.8 イ 1.0 ウ 1.1
エ 1.5 オ 2.0 カ 3.0
問5 コンピュータネットワークに関する次の記述を読んで, 設問 1 〜 3 に答えよ。
図に示すような企業内ネットワークが構築されている。各回線の数字は 稼働率(アベイラビリティ)を示し,( )内の記号は設問中で稼働率を 参照する場合の表記である。
図 ネットワークの構成
設問1 熊本〜札幌の稼働率を小数第 3 位を四捨五入して求め, 正しい答えを解答群の中から選べ。
ア 0.50 イ 0.60 ウ 0.63
エ 0.72 オ 0.80
設問2 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
熊本〜高松に稼働率が P6 で参照される迂回(うかい)回線を設置した場合, 熊本〜大阪の稼働率は, で与えられる。
設問3 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
設問2 の迂回回線に加えて,更に稼働率 0.8 の迂回回線を新潟〜札幌に 設置した場合,熊本〜札幌の稼働率を小数第 3 位を四捨五入して求めると である。ここで, P6 は 0.8 とする。
ア 0.41 イ 0.52 ウ 0.61
エ 0.72 オ 0.74
問6 ファイルサーバに関する次の記述を読んで,設問 1,2 に答えよ。
パソコンを LAN で接続して利用するとき,システム全体を効果的に 運用する方法の一つに,利用者のファイルをファイルサーバにまとめて 格納する方法がある。
3 台のパソコン A,B,C を LAN で接続して利用することにする。図に, パソコン C をファイルサーバとして構築したシステムを示す。図中の●印は ディレクトリ,◎印はシステムファイル,○印は利用者ファイルを示す。 パソコン C の で囲まれた 部分は,パソコン A やパソコン B の利用者も利用できるように,利用許可が 与えられたディレクトリとファイルである。
図 ファイルサーバを利用したシステム
設問1 図において,ファイルWA と WB は同一のワープロソフトの システムファイルである。ファイル F は,パソコン A の利用者がその ワープロソフト(ファイル WA )を利用して作成した 文書ファイルである。 同じ利用者が,今度はパソコン B からその文書ファイルを読み出して修正する とき,利用するファイルの組合せはどれか,正しい答えを解答群の中から選べ。
ア WA ,F イ WA ,WB ,F ウ WA ,WB
エ WB ,F
設問2 次の文中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
システム管理者はパソコンの故障などに備えてファイルのバックアップを とる必要があるが,システムファイルと利用者ファイルではバックアップの とり方に違いがある。システムファイルは,内容が更新されることは まれなので,新しいソフトウェアをインストールしたときなどに限って バックアップをとればよい。一方,利用者ファイルは頻繁に更新されるので, 定期的にバックアップをとる必要がある。
LAN で接続された 10 台のパソコンがあり,システムファイルの バックアップは 1 年に 1 回,利用者ファイルは月に 1 回,システム管理者が バックアップをとる。このとき,ファイルサーバを利用しないシステムでは, それぞれのパソコンでバックアップをとることになるので,1 年間にシステム ファイルは 10 回,利用者ファイルは 120 回のバックアップをとることになる。 10 台のパソコンのうち 1 台をファイルサーバとし,すべての利用者ファイルを そのファイルサーバに格納すると,システムファイルは 回,利用者ファイルは 回のバックアップで 済むことになる。
ア 1 イ 2 ウ 10
エ 12 オ 24 カ 120