[更新日]1998.11.06


次の問3から問6までの4問については,この中から2問を選択し,
答案用紙の選択欄の をマークして 解答してください。
 なお,3問以上選択した場合には,はじめの2問について採点します。

問3 仮想記憶システムに関する次の記述を読んで、設問に答えよ。

(1) ページング方式の仮想記憶システムである。

(2) ページサイズは 4096 バイト(16 進表記で 100016)である。

(3) 16 ビットの仮想アドレスを用いる。仮想アドレスの構造は 図 1 のとおりである。

      図1 仮想アドレスの構造

(4) 仮想記憶と実記憶の対応をとるために,ページテーブルを使用する。

図2 仮想記憶と実記憶の対応例

仮想記憶の各ページとページテーブルの各要素とは,1 対 1 に対応する。 仮想記憶の該当ページが実記憶に格納されているときには,実記憶のページの先頭番地が, ページテーブルの対応する要素に格納されている。

(5) ページングは,LRU(Least Recently Used:最後に参照されてからの 経過時間が最も長いページを追い出す)方式で行われる。

設問 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

(1) このシステムでは,仮想アドレスの最大値は 番地となる。また, ぺージテーブルの要素は 個必要となる。

(2) 大きさ 500016 バイトのプログラムがある。このプログラムは, 実記憶が 3 ページ分だけ割り当てられ,その起動直後のページテーブルは 図 3 のとおりになった。このとき,仮想アドレスの 201016 番地は 実記憶上では 番地となる。

(3) その後,表に示す順序でページが参照された。5 回目でページの入替えが 起こり,ページ 3 が実記憶上のあるページと交換された。このとき,仮想アドレスの 301016 番地は実記憶上では 番地となる。

   図3 プログラム構成と起動直後のページテーブル

表 ページ参照経過

ページの参照経過

1 回目

2 回目

3 回目

4 回目

5 回目

  …  

参照されたページ

ページ 0

ページ 1

ページ 0

ページ 2

ページ 3

  …  

a に関する解答群

ア FFF16    イ 100016    ウ F00016

エ FFFF16    オ 1000016    カ 1FFFF16

b に関する解答群

ア 3     イ 4    ウ 7    エ 8    オ 15

カ 16    キ 31    ク 32    ケ 63    コ 64

c,d に関する解答群

ア 201016    イ 301016     ウ 401016     エ 501016     オ 601016


問4 システムの移行に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

日本全国に工場と支店をもつ会社で,新システムへの移行を計画している。

新システムは,生産管理,在庫管理,受注管理などのサブシステムから構成されている。

この会社では,次の三つの移行方法を検討している。

(1) 一括全面移行

全社的に,全サブシステムと移行対象データのすべてを一挙に移行する。 新システムの完成度,信頼度が最も要求され,運用を開始したら後戻りが非常に困難な, リスクの大きい移行方法である。移行手順としては,他の方法よりも単純であり, 新システムによる利用部門の業務への効果は,全社的に早く現れる。

(2) 地域順次移行

工場,支店を地域別に分けて,一部の地域を選んで試験的に全サブシステムを移行し, ある期間が経過した後,地域単位に順次移行する。地域に固有なデータの移行は, 地域単位に行う。全社的な共有データは,新旧両システムで使用できるようにする。 移行時のトラブルの影響範囲を局所化でき,移行の作業負荷をその地域に限定できる。 しかし,システム運用部門では,全社の移行が完了するまで新旧の両システムを 運用するので,作業負荷は大きくなる。

(3) サブシステム順次移行

全社的に,サブシステムとその対象データ単位で順次移行する。トラブルを 該当サブシステム内に抑えることができ,システム運用部門での作業負荷も平準化できる。 しかし,利用部門の業務への効果は段階的に現れることになり,移行当初の効果は少ない。 移行期間中には,新旧のサブシステム間のインタフェースが必要である。

設問 移行方法の検討結果をもとに,移行全期間における全社的観点 からの比較表を作成した。表中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

表 移行方法の比較

a に関する解答群

ア 

イ 

ウ 

エ 

オ 

b に関する解答群

ア 

イ 

ウ 

エ 

オ 

c に関する解答群

ア 

イ 

ウ 

エ 

オ 


問5 ISDN利用に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

“2B+D”と呼ばれる ISDN 基本インタフェースでは,2 回線の B チャネルと 1 回線の D チャネルを同時に使用することができる。B チャネルは回線交換とパケット交換に 使用でき,回線速度は 64 k ビット/秒である。D チャネルは制御信号用に 使用されるほか,パケット交換にも使用でき,回線速度は 16 k ビット/秒である。

図の N 氏宅では,電話機 2 台とパソコン 2 台が接続されている。パソコン は, K 氏宅のパソコン と回線交換で 1 対 1 の通信を行う。また,パソコン は, 実験室のパソコン温度センサシステムと通信を行う。

図 2B + D による接続の例

〔主な機器の接続の説明〕

機器

接続の説明

DSU

終端抵抗との間にディジタルバスを形成し,そこに接続された端末と ISDN とのインタフェースとして機能する装置

ディジタル電話機

ディジタルバスインタフェースの電話機

アナログ電話機

アナログ回線インタフェースの電話機

TA

パソコン及びアナログ電話機をディジタルバスに接続する装置

MODEM

パソコンをアナログ電話網に接続する装置

終端抵抗

DSU からのディジタルバスの終端

設問1 パソコン温度センサシステムからパソコン に, 毎日 20 時から 22 時までの間に 1 分間隔で,1 回当たり 200 バイトのデータを 送るために,次の 3 通りの方法の通信料金を比較した。

A:回線交換を利用し,データ送信 1 回ごとに接続,切断する場合の通信料金

B:回線交換を利用し,20 時から 22 時まで接続したままにする場合の通信料金

C:パケット交換を利用する場合の通信料金

通信料金は,回線交換の場合,1 通話(通信)3 分当たり 10 円とし,パケット交換の場合,接続時間にかかわらず 1 パケット(256 バイト)当たり 0.5 円とする。

通信料金には,基本接続料と各サービスの加入料などの固定費用は含まない。また,回線交換及びパケット交換における 1 回分のデータ送信時間は,いずれも
1 分未満とする。

このとき,A,B,C の関係として正しい答えを,解答群の中から選べ。

解答群

ア A>B>C     イ A>C>B     ウ B>A>C

エ B>C>A     オ C>A>B     カ C>B>A

設問2 パソコン が D チャネルを利用するとき,パソコン を 含め N 氏宅で同時に通信できる機器台数の最大値として正しい答えを, 解答群の中から選べ。

解答群

ア 1     イ 2     ウ 3     エ 4

設問3 図中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

解答群

ア     イ 

ウ     エ 


問6 在庫管理の定量発注方式に関する記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

ある資材の年間の在庫管理費用の総額は,次式で与えられる。

 …… 

ここに,

Tc :年間の在庫管理費用の総額

D :資材の年間必要数量

C :資材の単価

Q :1 回の発注数量

B :安全在庫数量

I :在庫管理費率(在庫金額に対する年間の比率)

S :1 回の発注に必要な費用

である。

設問1 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

で,資材の単価は年間を通じて一定とすると,資材の購入費用 DC は, 1 回の発注数量とは関係なく(つまり発注回数とも関係なく)一定である。また, 消費量も年間を通じて一定であるとすると,安全在庫数量 B も 1 回の発注数量とは関係なく一定である。したがって,1 回の発注数量の変化に よって変わる費用は,発注回数によって変わる費用 と, 在庫管理費用の変動部分 である。

解答群

ア      イ        ウ 

設問2 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

から年間の在庫管理費用の総額を最小とする発注数量 Q(経済発注数量 EOQ と呼ぶ)を求めると,式 が得られる。

 …… 

ある資材の年間必要数量が 4,000 個,単価が 5,000 円,年間の在庫管理費率が 20 %, 1 回の発注に必要な費用が 20,000 円であるとき,EOQ は 個となる。

解答群

ア 80     イ 90     ウ 283     エ 400     オ 500

設問3 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

で与えられた EOQ は,単価が一定であると仮定した場合に成り立つ。 発注数量によって資材の単価が値引きされるときには,次の手順で EOQ を 計算することができる。

(1) 各値引き単価ごとに EOQ を計算する。

(2) (1) で求めた EOQ がそれぞれの値引き単価で発注できる数量の 範囲外のときには,その範囲の最小発注数量を EOQ として,各値引き単価ごとに総費用を 計算する。実際には,DCQCI/2,DSQ を求めて 合計すればよい。

(3) (2) で求めた総費用の中で最も安い場合の発注数量を,求める EOQ とする。

設問2 の条件に加えて,発注数量が 1,000 個未満のとき単価 5,000 円, 1,000 〜 1,999個のとき 4,500 円,2,000 個以上のとき 4,000 円という値引き価格が示された場合,EOQ は 個である。

解答群

ア 400     イ 1,000     ウ 2,000     エ 4,000


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