東京理科大学 infoserv[更新日]1999.04.30


問17  マイコンを用いた電子ポットに関する次の記述を読んで,設問 1 〜 3 に答えよ。

電子ポットの水温制御部のシステム構成図を図 1 に示す。拡張 COMET は,10 秒ごとに 発生するタイマ割込み(割込み 0 )の処理で,電子ポット内の水温を制御する。

〔タイマ割込み処理による水温制御の説明〕

(1) 計測した水温に応じて,ヒータを OFF,弱,又は強のいずれかに設定することに よって水温を制御する。

(2) 水温は,温度センサからの温度データを A/D 変換器を介して読み込むことに よって計測する。水温と A/D 変換器からの出力値は比例していて,その関係は表 1 に 示すとおりである。

(3) 計測温度が 93 ℃未満のときは,ヒータを強にする。ヒータを一度強にしたら強を 保ち,98 ℃以上になったときにヒータを OFF にする。ヒータを強から OFF にすることに よって水温は徐々に下がり,98 ℃未満になったらヒータを弱にし,93 ℃までこの状態を 保つ。


図1 電子ポットの水温制御部のシステム構成図

     表1 水温と A/D 変換器の出力値の関係
水温(℃) 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100
A/D 変換器の出力値
(16 進数)
D0 D2 D4 D6 D8 DA DC DE E0 E2 E4

設問1 表 2 は,水温を連続して 10 回計測したときの,A/D 変換器の出力値と 計測温度に対するヒータの設定の推移を示す。表 2 中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

        表2 計測温度に対するヒータの設定の推移

計測時点 10

A/D 変換器の出力値

(16 進数)

D6 D5 D6 DD E1 E3 E2 E0 DF
計測温度(℃) 93 92.5 93 94.5 96.5

99.5 99 98 97.5
ヒータの設定 OFF OFF OFF OFF

a に関する解答群

ア D7    イ D8    ウ D9

エ DA    オ DB

b に関する解答群

ア 97    イ 97.5    ウ 98

エ 98.5    オ 99

設問2 タイマ割込み処理の流れ図を図 2 に示す。流れ図中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

図2 タイマ割込み処理の流れ図

c に関する解答群

ア TEMP = D6    イ TEMP < D6    ウ TEMP > D6

エ TEMP ≦ D6    オ TEMP ≧ D6

d に関する解答群

ア HSTS = 1    イ HSTS = 2    ウ HSTS ≠ 0

エ HSTS ≠ 1    オ HSTS ≠ 2

設問3 次の記述中の に 入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

開発中に水温が 98 ℃を超えてもヒータが強のままという現象が発生した。 その原因を調査した結果,温度センサが故障しており,水温が 98 ℃以上になっても 計測温度は 70 ℃ぐらいにしかならなかった。そこで,温度センサや A/D 変換器が 故障しても,ヒータが強に固定されないように,タイマ割込み処理のプログラムを 変更することにした。

ヒータが強の場合,計測した水温が 20 秒間で 2 ℃以上上昇しなければ,ヒータを
OFF にすることにした。その変更は次の 2 項目である。

(1) 20 秒前の A/D 変換器の出力値を記憶する変数 X, 秒前の A/D 変換器の 出力値を記憶する変数 Y を追加する。

(2) ヒータが強の場合,現在の A/D 変換器の出力値が,変数 X に記憶されている値 より 以上大きくなければ, ヒータを OFF にしてタイマ割込みを禁止にする。 以上大きければ,変数 X に 変数 Y の値を,変数 Y に現在の A/D 変換器の出力値を,それぞれ記憶する。

解答群

ア 1    イ 2    ウ 3    エ 4    オ 5

カ 10    キ 20    ク 30    ケ 40    コ 50


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