東京理科大学 infoserv[更新日]2000.10.23


次の問15から問17までの3問については,この中から1問を選択し,
答案用紙の選択欄のをマークして 解答してください。
 なお,2問以上選択した場合には,はじめの1問について採点します。

問15  内部設計に関する次の記述を読んで,設問 1 〜 3 に答えよ。

通信販売業の A 社では,受注管理システムを開発している。 そのシステムを利用した受注業務の概要は,次のとおりである。

(1)

顧客は,記入した商品申込書を A 社の顧客部門にあてて郵送する。 代金の支払方法は,クレジットカードによる引落しだけであり,注文が初めての顧客は, 商品申込書にクレジットカード情報を記入する。 商品申込書の形式は,図のとおりであり,右上の申込番号の欄には, 商品申込書ごとに固有の番号があらかじめ印字されている。 1 枚の商品申込書に記入できる商品は 5 種類までで,6 種類以上注文する場合には, 複数の商品申込書に分けて記入する。

図 商品申込書

(2)

顧客部門は,商品申込書の記入内容について次の処理をする。

注文が初めてで,クレジットカード情報が 記入されている場合には,クレジットカード会社に信用検査を依頼する。

商品申込書にお客様番号 (以下,顧客番号という)が記入されている場合には, 顧客番号をキーとして顧客検索を行い,顧客番号に間違いがないかどうかをチェックした後, クレジットカード会社に信用検査を依頼する。

商品申込書に記入された商品番号を キーとして商品マスタファイルを検索し, 記入された商品名,色,サイズ及び単価と合致していることをチェックする。 なお,同じ商品名であっても,色やサイズが異なる場合には,異なる商品番号が付けられている。

商品申込書に記入漏れがある場合, 又は記入に問題がある場合には,電話で顧客に問い合わせる。 顧客から回答が得られた場合には,商品申込書の該当する項目に記入・修正するとともに, 修正後の商品申込書のコピーを顧客に返送する。 回答が得られなかった場合には,注文が受け付けられなかった旨の書面と, 商品申込書を顧客に返送する。

商品申込書のチェック後,その内容を受注管理システムに登録し, 商品申込書を保管する。

(3)

受注管理システムは,登録された商品申込書の内容の中に顧客番号がなければ, 新規の顧客番号を自動的に付ける。 顧客番号があれば,今回の申込商品の割引率を算出する。 割引率は,過去に注文された商品の累積金額と,今回の申込商品の総額に応じて変わる。 例えば,注文累積金額が 5 万円以上で,今回の申込商品の総額が 3 千円以上の場合には, 2 %の割引とする。

(4)

商品管理部門では,毎日 1 回,受注管理システムに登録された商品申込書の内容と 在庫マスタファイルを突き合わせて,配送計画を立てる。 注文された商品が取扱中止の場合や,入荷までに日数を要する場合には,その旨をシステムに 登録する。

設問1   次の記述中の に入れる適切な答えを, 解答群の中から選べ。 ここで,解答群中の“○”は,レコードに格納する項目を表す。

顧客部門では,商品申込書に記入された顧客情報を基にして顧客マスタファイルを 作成・管理するとともに,商品の注文情報を基にして商品申込ファイルを作成する。 商品申込書に記入された情報の中から,顧客マスタファイルのレコードに格納する 必要最小限の項目は であり,商品申込ファイルの レコードに格納する必要最小限の項目は である。

a に関する解答群

 
氏名
電話番号

住所

顧客番号

   

カード番号

  

カード会社名

       

有効期限

       

申込番号

    

商品番号

       

商品名

          

b に関する解答群

 

氏名

        

電話番号

        

住所

        

顧客番号

 

カード番号

        

カード会社名

        

有効期限

        

申込番号

       

商品番号

商品名

       

個数

単価

       
設問2   商品申込書に記入された情報以外に,顧客マスタファイルに格納すべき項目を,] 解答群の中から選べ。

解答群

ア 過去に注文された商品の累積金額

イ 顧客への問合せ回数

ウ 顧客への問合せ日付

エ 今回の申込商品の取扱中止を示す区分

オ 今回の申込商品の入荷日数

カ 今回の申込商品の割引率

キ 商品申込書の受付日付

ク 前回の申込商品の割引率

設問3   A 社では,新規顧客の獲得を目指して,新しい割引サービスを開始することになった。 まず,顧客番号が登録されている顧客(X 氏とする)に紹介書を送付する。 X 氏は,新しい顧客(Y 氏とする)を紹介書に記入して返送する。 紹介された Y 氏から一定期間以内に商品が申し込まれたときに,紹介した X 氏の割引率が 増加する。 紹介書には,新しい顧客を何人でも記入できる。 ただし,複数人が同じ人を紹介することはないものとする。

このサービスをシステムで実現するために,X 氏が Y 氏を紹介した時点で,Y氏を 仮の顧客として顧客マスタファイルに登録する。 このため,顧客マスタファイルに登録した顧客が仮の顧客であるかどうかを示す項目を, 顧客マスタファイルに追加する必要がある。 このほかに,顧客マスタファイルに追加すべき項目を,解答群の中から三つ選べ。

解答群

ア X 氏のレコードに Y 氏の名前を格納するための項目

イ X 氏のレコードに Y 氏の顧客番号を格納するための項目

ウ Y 氏のレコードに X 氏の名前を格納するための項目

エ Y 氏のレコードに X 氏の顧客番号を格納するための項目

オ 増加した割引率を格納するための項目

カ 登録した日付を格納するための項目


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