東京理科大学 infoserv[更新日]2000.10.23


問17  マイコンを用いた電子アイロンに関する次の記述を読んで,設問 1 〜 3 に答えよ。 電子アイロン(以下,アイロンと呼ぶ)の温度制御部のシステム構成を図 1 に示す。 拡張 COMET は,1 秒ごとに発生するタイマ割込み(割込み 0)の処理で, アイロン底部の温度(アイロン温度)を制御する。

〔アイロン温度制御の説明〕

(1)

ヒータを ON にすることによってアイロン温度が上昇する。

(2)

温度センサの値を A/D 変換器を介して読み込むことによって, アイロン温度が計測できる。

(3)

キー SW で設定した温度と計測したアイロン温度を 10 秒ごとに比較し, その結果に応じて表 1 の中から一つの制御番号を選択する。

(4)

(3) で選択した制御番号に従って,ヒータを ON 又は OFF にする。


図1 システム構成

表1 設定温度と制御番号との関係

設定温度との差

(設定温度−アイロン温度)

制御番号 10 秒間でのヒータ

ON 時間 (秒)

アイロン温度変化率
50℃以上11010℃/10 秒で上昇
30℃以上 50℃未満2 8 8℃/10 秒で上昇
20℃以上 30℃未満3 6 6℃/10 秒で上昇
10℃以上 20℃未満4 4 4℃/10 秒で上昇
−10℃以上 10℃未満 5 2 2℃/10 秒で上昇
−10℃未満 6 0 5℃/10 秒で下降

設問1   設定温度を変化させながらアイロン温度を制御したところ,図 2 のように変化した。 図 2 中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。


図2 アイロン温度の変化

a に関する解答群

ア 143   イ 144    ウ 145   エ 146   オ 147

b,c に関する解答群

ア 1    イ 2     ウ 3    エ 4    オ 5    カ 6

設問2   図 3 に示すタイマ割込み処理の流れ図中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。


図3 タイマ割込み処理の流れ図

d に関する解答群

ア 0 → HEATON    イ 0 → TIME     ウ 1 → HEATON

エ 1 → TIME     オ 2 → HEATON    カ 2 → TIME

キ 4 → HEATON    ク 4 → TIME

e に関する解答群

ア HEATON < TIME    イ HEATON > TIME    ウ HEATON ≠ TIME

エ HEATON ≦ TIME    オ HEATON ≧ TIME

設問3 次の記述中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。

アイロンの温度制御部を構成する要素の異常又は故障を検出し,アイロンの安全性を 向上させるために,次の機能を追加した(図 4 参照)。

ハードウェア:1.5 秒以内に 1 が書き込まれないと,ヒータを OFF に するヒータ制御装置を追加した。

ソフトウェア:1 秒ごとのタイマ割込み処理の先頭で,追加したヒータ制御装置に 一定時間 1 を出力する。


図4 ヒータ制御装置追加後のシステム構成

この機能の追加で検出できる異常又は故障は である。

解答群

ア A/D 変換器の精度悪化    イ 温度センサの故障    ウ 拡張 COMET の停止

エ キーSWの故障        オ タイマの停止      カ ヒータの故障


東京理科大学 infoserv 戻る