東京理科大学 infoserv[更新日]2001.11.05


問3

 トランザクション処理性能に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

図に示すように 1 個の CPU 及び 2 台のディスク装置から 構成されるサーバがある。 各ディスクには,図のようにそれぞれデータベース DB1 とデータベース DB2 が 格納されている。 このサーバにおいて,各ディスクで異なるトランザクションをそれぞれ独立に 処理することができる。 このトランザクション処理の内容を分析したところ,1 トランザクション当たりの システム資源の平均使用時間の内訳は,表のとおりであった。

図 サーバの構成

表 1トランザクション当たりのシステム資源の平均使用時間

システム資源

1 トランザクション当たりの平均使用時間

CPU

20 ミリ秒

ディスク 1

80 ミリ秒

ディスク 2

40 ミリ秒

サーバ稼働中のある時点において,1 秒間にそのサーバが処理するトランザクション件数をそのサーバの TPS(Transaction Per Second)と呼ぶ。 このとき,サーバの TPS,あるシステム資源の使用率,及び 1 トランザクション当たりのそのシステム資源の平均使用時間(以下,平均使用時間と呼ぶ)の関係は,次のとおりである。

使用率 = TPS × 平均使用時間 ……… 

例えば,あるシステム資源の平均使用時間が 50 ミリ秒であって,その使用率が
80% であるとき,サーバの TPS は次式で計算できる。

設問 次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

(1) 図で示す各システム資源の使用率の上限値を 40% とした場合, このサーバの TPS の上限値は である。

(2) 各システム資源の使用率の上限値を 40% としたままで, サーバの TPS の上限値を 4 倍にするためには,少なくとも にしてディスク装置のアクセス時間を 短縮させる必要がある。 ここで,あるシステム資源を n 倍にした場合, トランザクション処理におけるそのシステム資源のアクセス時間は 1/n になるものとする。

(3) このサーバの TPS が 10 のとき,このトランザクション処理の 平均応答時間は,トランザクション処理時間の 約 倍である。 ここで,各システム資源の平均応答時間は次のとおりとし, トランザクション処理の平均応答時間は各システム資源の平均応答時間の和とする。

(4) 式 及び から,サーバの TPS を 上げていくとシステム資源の使用率は高くなり, ことが分かる。

a に関する解答群

ア 0.005    イ 0.01    ウ 0.02

エ 5      オ 10     カ 20

b に関する解答群

ア ディスク 1 の台数を 4 台

イ ディスク 2 の台数を 4 台

ウ ディスク 1 の台数を 2 台,かつディスク 2 の台数を 2 台

エ ディスク 1 の台数を 2 台,かつディスク 2 の台数を 4 台

オ ディスク 1 の台数を 4 台,かつディスク 2 の台数を 2 台

c に関する解答群

ア 0.48    イ 0.95    ウ 1.66

エ 2.86    オ 3.51

d に関する解答群

ア 平均応答時間が増加する    イ 平均応答時間が減少する

ウ 平均使用時間が増加する    エ 平均使用時間が減少する


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