平成7年度 春期 第二種 午後 問16

                        [更新日]1995.05.22
問16 プログラム設計に関する次の記述を読んで、設問1,2に答よ。 ある会社に勤めるA君は、補助記憶装置に格納されている2種類の データー相関係数及び回帰直線の式を算出するプログラムについて、 処理の概要を次のように設計した。 〔前提条件〕 (1) 2種類のデータは、二つのファイルにそれぞれ格納されているも のとする。 (2) ファイル名は任意でよいが、データは同数でなければならない。 (3) 扱いうる最大のデータ数をそれぞれ100に限定した配列を使う。 〔処理〕 (1) 補助記憶装置に格納されている2種類のデータを主記憶に読 み込む。 (2) 相関係数と回帰直線を算出する。 (3) 画面上にグラフとして各データ点をプロットし、(2)で算出した 回帰直線を描くとともに、相関係数を表示する(図1参照)。 処理(1)に関しては、補助記憶装置にあるファイル名をこのプログラ ムが対話形式で取り込めるようにしたい。 処理(2)については、次に示す方法で求める。 相関係数とは二つのデータ群の関係がどの程度強いかを数値で表すも ので、x1,x2,x3,…,xn と y1,y2,y3,…,yn との相関係数rは次 式で与えられる。 Sxy r=─────── √SxxSyy 右辺の諸量は次の式で表される。 n n Sxx=Σ(xk-ave(x))^2 , Syy=Σ(yk-ave(y))^2 k=1 k=1 n Sxy=Σ(xk-ave(x))(yk-ave(y)) k=1 ここでave(x)及びave(y)はそれぞれのデータ群の平均値であり、 n n Σxk Σyk k=1 k=1 ave(x)=────── , ave(y)=────── n n で求められる。 一方、二つのデータ群の関係を一つの式で表そうとする方法が回帰分 析であり、最小2乗法によって、1次式(直線)でこの傾向を代表するの が、回帰直線である。求めるべき回帰直線を y=ax+b とすると、上の諸量をもとにa,bは Sxy a=────── ,b=ave(y)−a・ave(x) Sxx で求められる。 以上のことから、この部分では二つのデータ群のそれぞれの平均値 を求めるモジュールが部品として利用できる。 処理(3)の画面表示については、次のように分類できる。 1 相関係数の表示 2 x軸、y軸と各軸のタイトル・目盛りの表示 3 各データの座標点のプロット 4 回帰直線の表示 この部分では、軸の表示、データ点のプロットのために、各データ 群の最大値を必要とするので、最大値を探索するモジュール部品とし て利用できる。 設問1 A君はこの設計から、図2のモジュール構造図を作成した。図2中の [ ]に入れる正しい答を、解答群の中から選べ。 解答群 ア 最小2乗法モジュール       イ 最大値探索モジュール ウ 座標点・直線描画モジュール    ウ 軸・目盛り表示モジュール オ 相関係数・回帰直線計算モジュール カ 相関係数・グラフ表示モジュール  キ 標準偏差算出モジュール ク ファイル読み込みモジュール    ケ 平均値算出モジュール コ Sxx,Syy,Sxy計算モジュール 設問2 図2のモジュール構造図で、メインモジュールと[ a ]モジュー ルの間のモジュール間インターフェースとして、どの項目があればよ いか、解答群の中から三つ選べ。 解答群 ア 回帰直線の係数a イ 回帰直線の係数b ウ 原点座標 エ 軸の長さ    オ 相関係数r    カ データ個数 キ データ最大値  ク データ値     ケ ファイル個数 コ ファイル名
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