2.端牌の魅力


 国士無双ばかりあがる内、すっかり端牌の魔力に取り憑かれてしまったが、冷静に考えると端牌を中心とする麻雀は、そんなに悪い選択ではないのでは、と思うようになった。以下に端牌の魅力についてまとめてみた。
 そもそも国士無双に使われる端牌及び字牌は全34種類の牌の内、13種類も有り、全牌の38%を占めている。実はタンヤオは全牌の6割しか利用しない効率の悪い手なのである。4割しかない端牌を利用する方が効率が悪いと思うかも知れないが、端牌には効率の悪さを補償するパワーがある。国士無双、字一色、清老頭の他、端牌がからむパワフルな役は数多い。頻度は低いが一撃必殺こそ、端牌の第一の魅力である。
 とはいっても、毎回毎回国士無双があがれるわけでもない。早々に4枚切れてしまい、作戦の変更を余儀なくされる場合は多いが、その場合でも端牌は安全牌となる場合が多く、終盤になるほど振り込みの危険性が小さくなる利点がある。すなわちあがれない場合でもマイナス点を小さくする作用があるのが、端牌の第2の魅力である。敵が手を進めたくなる中盤までに中張牌を切り飛ばしておけば、途中から全く鳴けなくなり、敵のスピードを鈍らせる作用があることも忘れてはならない。
 最後に国士無双が駄目になっても、方針変更の結果であるチャンタ、混一、七対子、トイトイなどは二ハン以上の役であり、役牌と絡めればすぐに満貫となる可能性を秘めていることも第3の魅力としておこう。
 つまるところ、端牌をガメル麻雀はディフェンシブながら一撃必殺の破壊力がある、優れた戦法であるというのが私の主張である。特に、麻雀の入門書に見られるタンヤオ礼讃一辺倒の現状は、端牌のもてる能力を無視したものとしてここに強く糾弾したい。
 国士無双は決してあがりにくい役ではない。私は端牌6枚の配牌からあがった経験もある。要は端牌のもてるパワーを信じ、最大限に活かして初めて端牌の魅力に開眼するのである。みなさんにも冷静にお考えいただき、端牌麻雀を世に広めていただきたいと考えている。


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