2005年9月 新5号館への引越し
〜新しい研究室ができるまで〜 

2005年9月2日に新5号館が竣工し、引越し作業が本格開始しました。
日通による荷物運搬は14日に予定されていましたが、機器搬入前に必要な
棚や設置場所を作っておく必要があったので、アングルでの様々な工作や
荷車での荷物運搬を2日から行いました。研究室が落ち着くまで一ヶ月以上
かかりました。

新研究室のネームプレート。旧2号館時代はパソコンのプリントアウト(A4)でした。

できたての研究室。
まだ机しかない状態。
入り口付近。
合成用実験台2台、ドラフト2台。
大学院生用居場所。
未使用のドラフト。
とりあえず集合写真でも。

山田先生に撮ってもらいました。
測定装置置き場&クリーンブース建設予定地。
クリーンブースはアングルで作るのだ。
場所決め作業。
レーザー用暗室の骨組み。
レーザー暗室(黒く見える骨組み)は
市販の簡易暗室ユニット。
アングルで骨格を作っていく。
真新しい実験台。
荷物をどこに置こう?
アングルで荷物置き場を作るべし。
大活躍だぞ、アングル。
万能だぞ、アングル。
アングルカッター買っといてよかった。(49500円也)

アングルで沢山の棚を作るのではなく、研究室を丸
ごと一個のジャングルジムにしているので地震が来
ても倒れようがありません。
ちなみに知らない人のために。
穴の開いた長い棒がアングル。
三つ穴があいた板がコーナープレート。そしてボルト。
これらがあれば収納関係はなんでも作れるのです!
これがアングルカッター。
アングルは鉄の板なので、金鋸で切ろうとすると、
とても硬くて、とてもつらい目にあいます。
アングルカッターを使えば、キレイに正確にサクサク
切れます。(体重と腕力にもよりますが。)

理科大に居ると誤解しがちですが、アングルなんて世間ではマイナーです。測定機材は縦に積む物ではなく、振動の少ない実験台に2次元的に設置するのが世間様の常識です。アングル買おうとしても、実験器具カタログにもほとんど載ってません。
アングルを大量に使って機材積み上げる研究室なんて理科大にしかありません。アングル空中切断技術なんてものは、この広い宇宙で、理科大でしか役にたたないのです。神楽坂〜市谷地区は、とっても地価が高価いから仕方ないのです。




デシケータータワー建設現場。
デシケーターが床に散乱しているより、丈夫で絶対倒れない棚段に入れて落下防止対策をしたほうが安全。オイルポンプを納めるスペースも作ってあります。





なんということでしょう!匠の斬新な発想と技によって、新たな収納スペースが誕生したのです!

机の周りをアングルのフレームで囲い、机とは独立
して床から支えることで机への加重を軽減させる。



アングルは便利なものですが、安くはないですよ。
3mで1400円です。出来合いの棚で済むなら、それ買ったほうが安いです。でも、超高密度の収納スペースを作るためには仕方ないのです。
さて、何したらいいんでしょ?
一挙にごちゃごちゃに。
限られた面積内に納めるためには、
縦に積むしかない!          
アングル回廊。
つーか、洞窟。
測定器も納まりました。
DSC, GPC、イオン導電率測定装置、CV、UV、
真空オーブン、超高圧水銀灯
偏光顕微鏡3台!、Mettler温度調節機5台!
これだけでも液晶マニアには垂涎の設備であらう。

強誘電性液晶の自発分極を三角波法とソーヤタワーブリッジで測定できます。
手作りクリーンブースの入り口。
HEPAフィルター6台設置してます。

スピンコーター、ラビングマシーン、
大型ホットプレート、超純水製造装置、
真空シール機、が納められています。
簡単な液晶表示素子組み立てができます。
洞窟...
果たしてこんな洞窟で火災発生時は大丈夫か?
実験台付近からの避難経路は4つあります。
消火器は粉末5本、炭酸4本、簡易(炭酸)3個。
薬品ぶちまけ時対策の全身防護服、耐酸性薬品用ガスマスク、耐薬品長靴が準備してあります。
疲れますた。
引越し準備から2月間以上、研究室構築作業でした。お疲れ様でした。
アングルでいろいろなものを作り上げる技術は、後々の人生で全く何の役に立たないかもしれないけど、きっと何かになるからねー。わかんないけどー。
まるで潜水艦内部。
積み上げられた機材と各種ボンベ。
ようやく実験可能に。
痛い子がいます。


荷車は大活躍でした。日通による運搬前に、微妙なものは自力で運んでしまいました。
この荷車、かなりの人に佐々木研の持ち物だと思われていたようですが、理科大のものです。管財課で借りられます。
荷車は台車と違ってタイヤが大きいので、機械にとってヤバイ振動が軽減されます。