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Research

 有機化学は多種多様かつ数多くの物質を扱い、また新たに作り出す実験を基盤にした学問であるため、自然科学の広範な領域において重要かつ基本的な役割を担っている。そのため新規(未知)あるいは珍しい化合物を合成することは、どの分野においても常に期待されている。その観点から、当研究室ではヘテロ原子を含む新しい化合物の合成その特性を利用した合成反応への応用および新しい合成方法の開発についての基礎研究を行っている。特に、tandemとかdomino反応といった連続的に反応を行う手法や環を形成する環化反応、および一方の光学異性体を選択的に作り分ける不斉反応に焦点を当てて研究を行っている。新たに作り出された化合物は、医薬品や農薬、機能性化合物等の重要な基本骨格を持つものがあり、基礎・応用の両面で興味深く期待が大きい。また、反応の解釈のためと(立体)構造決定の補助手段としてコンピューターを用いた半経験的計算も行っている。

 主題を以下に挙げる。

1. 新しい不斉反応に関する研究
- 不斉エポキシ化、アジリジン化、シクロプロパン化反応の開発
- 不斉衣笠反応の開発
- 不斉Hetero Diels-Alder反応の開発
- 不斉1,3-双極子環化付加反応の開発

2. 新規なヘテロ原子化合物の創製と反応に関する研究
- 新規硫黄・リン・窒素化合物の合成とその反応の開発

3. 複素環化合物の新しい合成方法の開発に関する研究
- 官能基化されたヘテロクムレンの合成とそれをビルディングブロックとした環形成反応の開発
- ジエン伝達ヘテロDiels-Alder (Tandem Diels-Alder) 反応の開発
- クロマンとチオクロマン類の新しい合成法の開発
- 新しいヘテロPauson-Khand反応の開発

4. 半経験的計算による反応の理論的解釈と構造解析

5. 隣接に酸素官能基を有する1,2-ジブロモアルカンの脱離反応に関する研究

6. 生理活性天然物の全合成研究