鉄骨構造の力学と設計

(本書まえがきより)
 世の中には、鉄骨構造の名著が多数あります。鉄骨構造は、数学的に解ける構造として、高度な物理学と数学によって裏付けられている部分があるため、ときに初学者には難解な内容が登場します。本書は、東京理科大学における鉄骨構造の授業の講義ノートに基づいて作成しました。
 鉄骨構造の力学や設計を理解するためには、力を受けた骨組(全体)と部材(要素)の変形をイメージすることが大切です。鉄骨構造の物理(力学)と数学によって、骨組と部材の変形と力学が合理的に説明されます。これらの学問が苦手な方も、想像力を働かせることで補うことができます。解説動画も用意しましたので、読んでわかないところは見聞きして学べるように、ハイブリッド型書籍としました。
 鉄骨構造は、構造形式と構法・工法を理解し、全体(骨組)と要素(部材)を関係づけて理解する必要があります。耐震性能を決定する主体構造(構造骨組)と、建物の外観や内観を彩る一般構造との関係も理解しておく必要があります。
 そこで、鉄骨構造の成り立ちと構法・工法を理解してから、力を受けて変形する様子をイメージしていただきます。変形して損傷・崩壊する様子から、逆算して力学を理解する、また、鉄骨骨組の設計例を通して構造設計法までの流れを学べるように、構成しています。
 本書は、鉄骨構造に関わる力学理論や数学的解法に基づく標準的な学習内容から、構造設計や施工管理などの実務的な内容と例題までを含んでいます。鉄骨構造は、部材(力学)と骨組(構法・工法)で分類し、それぞれの力学・理論と設計法を結びつけながら学ぶことが重要です。本書は、部材や骨組で章立てし、力学・理論と設計をまとめて学べるような構成としています。用語やキーワードからではなく、部材や骨組より索引することで、実務者や研究者も参考図書として使っていただける一冊としています。


[2025.04.15訂正]
・第2章、2.2.4項、建築物の分類と構造計算方法の更新
・第4章、4.4.2項、(4)ガセット・プレートの端空き破断モードの追加
γ版は、アイコンをクリックしてダインロードできます(43MB)(up) テキスト

[訂正]
・以下の数式に誤りがありましたので、訂正をお願いいたします。
・第5章、5.4.4項、p.149、式(10)
・左辺のEct,t(誤)→Ect,r(正)

[訂正]
・以下の数式に誤りがありましたので、訂正をお願いいたします。
・第6章、6.4.5項、p.176、式(26 c)
・左辺第3項のMz(誤)→Mx(正)

[β版, 2024.02.05更新]
[更新内容]
・誤字・脱字の修正
・キーワード
・索引の追加
・柱脚の計算方法と設計例

[α版, 2024.01.13公開]

[次回の更新予定]
・解説動画の追加



(ご利用にあたって)
 本書は、無料でご利用いただけます。(2024年1月時点)また、本書に登場する写真や図などを利用されたい場合、オリジナルデータをお渡しすることもできます。本書の入手や図版のご利用をご希望の場合、著者までご一報ください。
 鉄骨構造をはじめて学ばれる方は、レ印が付いた各章・節・項などは飛ばし、まずはベーシックな内容に絞って、全体を把握してみてください。
 本書はB5サイズで執筆しています。印刷してご利用される場合、適宜、読みやすいサイズに調整してください。
 現時点で、当初の目標には到達しておらず、引き続き、加筆・修正、図や解説動画の追加などを進めていきます。また、誤字・脱字をはじめ、著者の勉強不足や誤解などにより、修正が必要な個所を発見された場合、よろしければ、ご連絡ください。
 今後の更新や修正などは都度、ご連絡差し上げますので、よろしければ、連絡先(メールアドレス)をご登録いただけますと幸いです。
 ・連絡先:t-ito(at)rs.tus.ac.jp
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