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光合成光化学反応は葉緑体内(シアノバクテリアでは細胞質内)のチラコイド膜上で光励起によって進行する。チラコイド膜状には光化学系II(PS II)、シトクロム複合体(Cytb6/)、光化学系I(PS I)と呼ばれる3種の膜タンパク質超分子複合体が存在する。PS II, PS I上の反応中心クロロフィル(それぞれP680, P700と呼ぶ)が光によって励起され、電荷分離を生じ、上図のような電子伝達反応が進行する。この電子伝達によって水を酸化し、NADPが還元される。水の酸化によって生じた酸素は我々、好気生成物の呼吸反応に使用され、電子伝達反応によって得られたNADPHは還元力として、二酸化炭素固定反応のエネルギー源として使用される。また、電子伝達反応の結果チラコイド膜の内外にプロトン濃度差が生じ、これをmotive forceとしてATPが合成される。このATPも二酸化炭素固定反応に使用される。

電子伝達系は、上図のように、反応中心(P680, P700)で酸化還元電位に逆らった電荷分離を生じる。この反応が光合成の最も特徴的なもので、低エネルギーの物質を高エネルギーの物質へ変換する。PS IとPS IIの二つで励起することにより、低エネルギーの水から高エネルギーのNADPHが生成される。
このため、ミトコンドリアの電子伝達系とは異なり、電子移動のスキームはZ型になる。