古川研究室 - 講義概要

講義概要

科目名	講義概要
基礎数学２（二年生）	この講義では，情報通信・制御システム工学を理解するのに必要最小限な項目について話をする予定です．前半はベクトル・行列だの，部分空間だのあまり聞きたくもない事柄に関する話が中心になります．なんでこんなものが通信や制御に関係するんだと思うことでしょう．がしかし，これらの概念を理解して上手く利用できれば，通信や制御の仕組みが容易にわかるようになります．そのために数学的な概念よりも物理的なイメージが湧くように工夫して講義するつもりです．後半の項目は情報の担い手である信号の性質を正確に把握するために必要な信号変換法に関する話です．前半の話が理解できれば容易にわかります．まあだまされたと思って勉強しましょう．ちなみにこの科目は必修ですので，ゆめゆめ油断なきよう！
音響・画像処理（三年生）	この講義は，基礎数学２に引き続いてより高度な信号処理技術に関する内容について話をします．最近様々なディジタル情報メディアがちまたに溢れていますが，例えば音声や画像はもともとアナログデータです．従ってディジタルデータを処理するためにはアナログ情報処理の理解が必要となります．前半はその理解を容易にするツールの説明を行います．その理解の前提に立って，後半はディジタルデータの解析やディジタルシステム設計に必要な手法を話します．特に，ディジタルフィルタの設計が中心となるでしょう．気づいている人は少ないかもしれませんが，これは諸君が身近で使ってるAV機器や携帯電話にふんだんに組み込まれています．興味がわけばいろんな面白くことが出来るのは受け合いです．
線形システム解析（二部３年生前期）	この講義は二部学生諸君を対象にしています．内容は一部で行っている講義をコンパクトにまとめたものです．主にアナログデータやアナログシステムを解析・設計するのに必要な数学的手法を厳密さよりもイメージがつかめるよう，話を進めていくつもりです．世の中はマルチメディア時代と呼ばれ，各種のディジタルシステム・データが氾濫してますが，その多くはもともとがアナログ形態であることを考えるとアナログ処理の重要性が理解できるでしょう．ディジタル処理はその延長線上にあるといっても良いぐらいです．この講義内容がある程度理解できれば独力でディジタル処理技術の習得も可能です．頑張って勉強してみましょう．
情報伝送特論（修士課程学生，前期）	本講義は，高品質で高速な情報伝送を行うために必要となる基礎技術に関する内容を輪講形式で行います．情報は音声や画像にせよ，二点間でデータのやりとりが行われています（携帯電話もこの形態の範疇）．これは有線伝送であろうが無線伝送であろうが基本原理は同じです．よく知られてるように，データのやりとりの際にはいろんな要因で必ずデータ品質劣化が生じ，これが通信システムの信頼性を左右します．従って劣化度合いを出来るだけ少なくするような技術が要求されてます．この講義ではその有力な手段である適応ディジタル信号処理が中心となります．例えば騒音消去や残響（エコー）処理が絶大な効果を発揮します．これについては電機・通信器メーカーの研究開発部門も力をいれている，ホットな技術といえるでしょう．当然，当研究室でもウエイトを置いて研究してます．興味が湧けばなかなか面白いかもしれません．