平成9年度 春期 第二種 午後 問3〜問6

                        [更新日]1997.05.30
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃次の問3から問6までの4問については、この中から2問を選択し、答案用紙の選┃ ┃択欄の「選」をマークして解答してください。               ┃ ┃ なお、3問以上選択した場合には、はじめの2問について採点します。    ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 問3 受注入力画面の設計に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。 手書きの受注伝票によって行っている受注業務のシステム化に当たって,図 に示す受注入力画面を設計した。
図 受注入カ画面の様式
〔受注業務システム化の条件〕 (1)取引番号は,取引が一意になるように自動的に付けられた一連番号である。 (2)受注日は,通常は起票日(処理日)であるが,起票日以外のこともある。 (3)取引先は,取引先コードによって一意に特定される。 (4)担当者は,担当者コードによって一意に特定される。 (5)商品には商品コードと単価が定められている。 (6)商品コードは,取引先から指定される。 (7)商品ごとに値引き額を設定することはできず,値引きは受注単位に行う。 (8)受注の入力は,必ず担当者本人が行う。 (9)同じ担当者が,一つの端末で複数件の受注を連続して入力することが多い。 (l0)1件の受注で,6商品までの注文を受けることができる。 (11)同一の取引先に対する複数件の受注を連続して入力することはまれである。 設問 受注入力画面の設計上の工夫に関する次の記述中の[ ]に入れる正 しい答えを,解答群の中から選ベ。 受注入力画面においては,頻繁に使用される値を既定値(デフオルト値)としてあ らかじめ設定しておくことが,入力作業効率の向上につながる。例えば,[ a ] には,通常は[ b ]が設定されるので,それを既定値として表示する。既定値 と異なる値を入力する場合だけ値を変更する。 また,何件か続けて同じ値を入力することが多い項目に対しては,前回の入力内容 をあらかじめ表示しておくことも有効である。したがって,[ c ]は前回の値 を引き続いて表示するようにしておくとよい。 コードを暗記しておくのが難しい項目については,コード又は名称のどちらでも入 力できるようにしておくことが望ましい。この際,名称については,プルダウンメ ニューなどによって選択できるようにしておくと,入力ミスを減少できるので更に よい。この受注入力画面では[ d ]がこれに当たる。 受注入力画面では,画面から入力する項目の個数が少ないほど入力作業の効率がよ くなる。名称による入力を採用しないとき,この受注入力画面における適切な入力 項目の組合せは[ e ]である。 a〜dに関する解答群 ア 一連番号 イ 起票日 ウ 受注日 エ 商品コード オ 担当者コード カ 取引先コード キ 取引番号 ク 値引き額 eに関する解答群 ア 受注日,取引先コード,担当者コード,商品コード,数量,値引き額 イ 受注日,取引先コード,担当者コード,商品コード,単価,数量 ウ 取引先コード,担当者コード,商品コード,数量,値引き額 エ 取引番号,受注日,取引先コード,担当者コード,商品コード,数量 オ 取引番号,取引先コード,担当者コード,商品コード,数量,値引き額 問4 部品の出荷実績表の作成に関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。 顧客は,図1のような複数の構成部品からなる部品セットを単位として出荷 要求をする。出荷管理は個々の構成部品を単位として行う。 部品セットに関する条件は,次のとおりである。 (1)部品セット中のそれぞれの構成部品の個数を構成数という。 (2)部品セットは,部品セット番号をもつ。 (3)顧客は,部品セット番号と部品セット数の組で出荷要求をする。 (4)1伝票には,部品セット番号と部品セット数を1組だけ記載する。 ┌─ 構成部品 ア 構成数l個 部品セットA ─┼─ 構成部品 イ 構成数3個 ├─ 構成部品 ウ 構成数2個 : : 図1 部品セットの例 図2に示す出荷実績表を得るための関係データベースとして,構成関係表(図3), 部品関係表(図4)及び部品セット関係表(図5)を用いる。 ┌────┬──────┬─────┬────┐ │伝票番号│構成部品番号│構成部品名│出荷個数│ └────┴──────┴─────┴────┘ 図2 出荷実績表のレコード様式 ┌───────┬──────┬──────┐ │部品セット番号│構成部品番号│ [ a ]│ └───────┴──────┴──────┘ 図3 構成関係表のレコード様式 ┌──────┬─────┐ │構成部品番号│構成部品名│ └──────┴─────┘ 図4 部品関係表のレコード様式 ┌────┬───────┬──────┐ │伝票番号│部品セット番号│ [ b ]│ └────┴───────┴──────┘ 図5 部品セット関係表のレコード様式 設問1 図3及び図5中の[ ]に入れる正しい答えを,解答群の中から選ベ。 解答群 ア 構成数 イ 構成部品番号 ウ 構成部品名 エ 出荷個数 オ 伝票番号 カ 部品セット数 キ 部品セット番号 設問2 出荷実績表を作るための次のSQL文中の[ ]に入れる正しい答えを, 解答群の中から選ベ。 SELECT [ c ] FROM 構成関係表,部品関係表,部品セット関係表 WHERE [ d ] cに関する解答群 ア 伝票番号,部品関係表.構成部品番号,構成部品名,出荷個数 イ 伝票番号,部品関係表.構成部品番号,構成部品名, 部品セット数/構成数 AS 出荷個数 ウ 伝票番号,部品関係表.構成部品番号,構成部品名, 部品セット数*構成数 AS 出荷個数 工 伝票番号,部品セット関係表.部品セット番号 AS 構成部品番号,構成部品名, 部品セット数*構成数 AS 出荷個数 オ 伝票番号,部品セット関係表.部品セット番号 AS 構成部品番号,構成部品名, 出荷個数、 dに関する解答群 ア 構成関係表.部品セット番号=部品セット関係表.部品セット番号 AND 構成関係表.構成部品番号=部品関係表.構成部品番号 イ 構成関係表.部品セット番号=部品セット関係表.部品セット番号 OR 構成関係表.構成部品番号=部品関係表.構成部品番号 ウ 部品関係表.構成部品番号=部品セット関係表.部品セット番号 AND 構成関係表.部品セット番号=構成関係表.構成部品番号 工 部品関係表.構成部品番号=部品セット関係表.部品セット番号 OR 構成関係表.部品セット番号=構成関係表.構成部品番号 オ 部品セット関係表.部品セット番号 IN (SELECT 部品セット番号 FROM 部品セット関係表) 問5 パソコン間のデータ通信に関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。 図1のように,公衆電話網を介して2台のパソコン間でデータを通信する システムがある。
図1 システムの構成
(1)パソコンとモデムとの間の通信条件は,表のとおりである。
表 パソコンとモデムとの間の通信条件
条件内容
同期方式 調歩同期式
通信速度 9,600ビット/秒
スタートビット 1ビット
ストップビット 1ビット
パリティ なし
(2)モデム間の通信速度は9,600ビット/秒で,データ圧縮と誤り訂正は行わない。
(3)送受信を行うプログラム間では,図2に示すパケットの形式でデータを通信する。

    ┌───────┬────────────────┬────────┐
    │  ヘッダ部    │            データ部            │  チェックサム  │
    │ (3バイト)  │          (5l2バイト)         │ (1バイト)    │
    └───────┴────────────────┴────────┘
                        	図2 パケットの形式

(4)受信側プログラムは,送信側プログラムから1パケットを受信するたびにチェッ
    クサムを調ベ,正しい場合はACKを,正しくない場含はNAKを送信側プログラム
    に返す。ACK,NAKともに4バイトとする。
(5)送信側プログラムは,1パケットを送信したあとで,受信側プログラムからACK
    が返ってきたときは次のパケットを送信し,NAKが返ってきたときは同じパケット
    を再送する。
(6)送信側プログラムは,最後のパケットのとき,ヘッダ部に最後のパケットである
    ことを示す記号を記録して送信する。受信側プログラムは,最後のパケットを正
    しく受信したときACKを送信側プログラムに返し,終了処理を行う。送信側プログ
    ラムは,受信側プログラムからのACKを確認後,終了処理を行いプログラムを終了
    する。
(7)送信側プログラムは,チェックサムの作成を含め,バケットを作成してモデムへ
    の送信を開始するまでにl0ミリ秒を必要とする。同様に受信側プログラムも,パ
    ケットをモデムから受信後,チェックサムを検査して,ACK又はNAKの送信を開始
    するまでに10ミリ秒を必要とする。それ以外の処理時間は無視できるものとする。
(8)データ通信中の誤りは,チェックサムで必ず検出できるものとする。

設問1 次の記述中の[        ]に入れる正しい答えを,解答群の中から選ベ。

  送信側プログラムから受信側プログラムへ614,400バイトのデータを転送する。
その際に,誤りが発生しなかったと仮定すると,送信側から送信するパケット数は
[   a   ]個となり,データ通信時間は[   b   ]秒となる。また,誤りが6回発
生した場合,データ通信時間は[   c   ]秒余計にかかる。

解答群                                     
 ア 3.25    イ 3.32    ウ 3.37    エ 650    オ 662
 カ 674     キ 1,191   ク 1,200   ケ 1,536

設問2 この通信仕様に関する次の記述のうち,データ通信中の誤りの発生率の高低に
     かかわらず正しいものを,解答群の中から選ベ。

解答群                                                           
 ア データ部の長さを半分にすると,プログラム間のデータ通信時間は短くなる。  
 イ パリティを“あり”にすると,可変長のバイナリデータを転送できる。        
 ウ ヘッダ部に有効データ長の領域をもつと,可変長のバイナリデータを転送できる。
 工 モデム間の通信速度を速くすると,プログラム間のデータ通信時間は短くなる。
 オ 受信側プログラムが1パケットごとにACK又はNAKを返すのではなく,5パケット
   ごとにACK又はNAKを返す方が,プログラム間のデータ通信時間は短くなる。

問6 日程計画に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

  あるプロジェクトを最短の日数で,しかもできるだけ少ない費用で完成させるため
に,請負業者を選定する。
  このプロジエクトは,A〜Hの八つの作業に分割できる。これらの作業の間には,
表1に示す先行関係がある。すなわち,先行作業がある作業は,その先行作業が完了
するまで開始できない。
  業者X,Yに各作業を委託した場合の作業日数と費用は,表2に与えられている。
各作業について,業者Xの方が業者Yよりも作業日数は多いが費用は少ない。
表1 作業リスト
作業先行作業
A -
B -
C A
D B
E B
F C,D
G E
H F,G
表2 請負業者による作業日数と費用
作業 業者X業者Y
作業日数 費用作業日数 費用
A18141615
B1010 813
C 5 8 410
D 6 8 510
E 910 813
F 4 6 3 9
G12111012
H1010 912
  業者Xに全作業を委託した場合と,業者Yに全作業を委託した場合とについて,
PERTの図(アローダイアグラム)を次に示す。
図 プロジェクトのアローダイアグラム
設問 次の記述中の[ ]に入れる正しい答えを,解答群の中から選ベ。 (1)業者Xにすべての作業を委託したとき,プロジェクトの完成に必要な費用は [ a ]であり,完成までの所要日数は[ b ]である。 (2)業者Yにすべての作業を委託したとき,プロジェクトの完成に必要な費用は 94であり,完成までの所要日数は35日である。このときのクリティカルパス はBEGH(業者Yの図の太線部)である。一部の作業を業者Xに委託すれば, 所要日数は35日のままで費用をより少なくできる。このときの最少費用は [ c ]である。 解答群 ア 35 イ 41 ウ 63 エ 74 オ 77 カ 86 キ 87 ク 88 ケ 89 コ 90

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