研究室概要



中曽根 祐司 教授

 計算固体力学研究室は、1994年4月より発足した研究室である。本研究室では、超高温や照射環境等の過酷な環境の下で使用される先端材料の力学特性を、異方性や非均質性、さらには、過酷環境によって誘起されるき裂やボイド等、その複雑な微視構造を考慮した損傷・破壊過程の精度良い評価・解析を実現するため、主にコンピュータを用いた各種のシミュレーション技法や計算力学的手法を開発している。
 粒子分散型強化合金、複合材料等、多くの先端材料は、高温、照射環境等の過酷な環境の下で所定の機能を発揮すべく、分散粒子や強化繊維等の強化相を含有したり、積層構造を採用したりするなど、非均質性・異方性を強めていく傾向がある。さらには、超高温や照射環境によって誘起されるクリープボイド、析出物、照射欠陥、微小き裂等の複数の微視欠陥の挙動を考慮しなければならない。この場合、連続体力学に基礎を置く従来の力学評価の有効性は薄れ、材料の微視的構造に注目した力学及びそれに基づく評価・解析が必要不可欠となる。
 そこで、本研究室では、有限要素法や境界要素法、剛体−ばねモデル(RBSM)法等の計算力学的手法に損傷力学やマイクロメカニックス等、材料の微視的特性を取り扱う理論的手法を援用することによってミクロおよびマクロ双方の観点から確定的または確率的な破壊・損傷過程の評価・解析を行う手法を開発するとともに、それらの方法を用いて機械・構造物の信頼性評価、(余)寿命予測及び新材料の設計・開発に資する知見の獲得を目指して研究を進めている。

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