5.問題2 回路方程式

 トンネルダイオードの静特性には特徴があることがわかっただろう。では、 なぜ発振回路は発振したのだろうか?静特性が大きく関わっていると考えられる。


参考書

NONLINEAR PHYSICS with Maple for Scientists and Engineers P.76〜P.77

エサキ・ダイオード<その特性と使い方>P.108〜P.110
天野 橘太郎 著



 なぜ、発振が起こったのかわかったかな?
 次に、実験1で用いた発振回路の回路方程式を解いてみるが、 その前に等価回路という考え方を勉強しておこう。
 等価回路というのは、新しく発見された素子を、その電気的な特性をそれと等しい動作をする ように、コイル、コンデンサー、抵抗などの組み合わせであらわした回路である。トンネルダイ オードの等価回路を考えて、発振回路全体をみてみよう。

等価回路

 図10の回路は実験1で用いた発振回路である。トンネルダイオードの等価回路を考えると、図10の 回路の緑色で囲まれた回路になる。図11の回路は図10の発振回路を トンネルダイオードを等価回路で置き換えて考えた回路である。

 図11の等価回路において、Rs、Ls、Csは非常に小さいので無視 する。さらに、この運動の原理を考えると、Rも無視できる。電源電圧Eは、図12の回路のVにあたる。 そうすると最終的には図12のような回路が考えられる。

考えられる回路

i = f (V) は、静特性をあらわす部分である。

ただし、原点を(V0、I0)に移動させた三次関数であらわされる。

すると i = f (V) = - α V + β V 2 + γ V 3 (α,γ>0) とおける。

問題2.図12の回路の方程式を解いてみよう。

参考書

エンジニアリング・サイエンス講座 「非線形回路論」

[共立出版]   石橋 幸男 著

〜ヒント〜
 -ic = id + i
 i = f (V) = - α V + β V 2 + γ V 3
vdp
とおいて解く。
途中 τ と置き換える。