東京理科大学 理学部第一部 応用化学科の駒場研究室です。

研究内容

次世代のエネルギー変換を目指して!
21世紀の環境・エネルギー問題の解決のため,より効率的な化学・電気エネルギー変換の可能な新材料の創製が必要です.当研究室では携帯型デバイスや次世代自動車に搭載する高エネルギー・長寿命かつ低環境負荷な蓄電池の実現に向け,実用化されているリチウムイオン二次電池、キャパシタの高性能化,将来型電池として期待されるナトリウムイオン二次電池,カリウムイオン二次電池の実用化を目指し,その電池材料の合成や充放電(酸化還元)反応に関する応用研究を行っています.さらに,電気シグナルから物質を選択的に検出する電気化学センサ,酵素反応を発電に利用するバイオ燃料電池などの研究も展開しています.企業等との共同研究も積極的に実施し,化学を「応用する」ための基礎研究を推進しています.

研究内容(PDF)


リチウムイオン二次電池

今やリチウムイオン二次電池は携帯やスマートフォン、PC、ポータブル機器の電源だけではなく、ハイブリッド自動車や電気自動車など広く普及し、私たちの生活に欠かせないものとなっています。 当研究室では、より高いエネルギーを有する高性能なリチウムイオン二次電池の開発を目指しています。

ナトリウムイオン二次電池

リチウムイオン二次電池の原料となるLi資源は政情不安定な南米に偏在しており、安定供給が困難になることが懸念されています。そこで、同じアルカリ元素であり、資源が無尽蔵に存在するNaをキャリアーイオンに用いるナトリウムイオン二次電池に注目し、2005年から研究に取り組んできました。ナトリウムイオン二次電池は低コスト、低環境負荷かつ現行のリチウムイオン二次電池に匹敵する高容量を実現できると期待され、2010年以降は世界中で研究が活発化しています。

カリウムイオン二次電池

ナトリウムイオン二次電池に続くリチウムイオン二次電池の代替として、当研究室ではLi、Naと同様にアルカリ金属であり資源量の豊富なKをキャリアーイオンとした、カリウムイオン二次電池の研究を行っています。カリウムイオン二次電池では、Kの低い標準電極電位を利用した高電圧作動による高エネルギー密度とK+イオンの低いルイス酸性による高速充放電が期待できます。

スーパーキャパシタ

電気化学キャパシタは二次電池と比較して急速充放電が可能で、長寿命という利点があります。電気化学キャパシタはその蓄電原理の違いから、電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor : EDLC)とレドックスキャパシタに大別されます。EDLCは電極、電解液界面に形成される電気二重層により電荷を蓄積します。一方、レドックスキャパシタは電気二重層に加え、酸化還元反応を利用して蓄電するため、より高い容量が得られます。

バイオ燃料電池

バイオ燃料電池とは酵素による酸化還元反応を利用して、糖やアルコール、酸素などを燃料として発電を行う燃料電池で、体内埋め込み型医療機器の電源や、ポータブル機器の電源としての利用が期待されています。当研究室ではこのバイオ燃料電池の性能向上を目指しています。

電気化学センサ

イオンセンサは溶液中の特定のイオンを定量するデバイスで、環境・医療分野等で広く利用されています。当研究室では、二次電池の正極材料であるインサーション材料を用いて、イオンセンサのさらなる小型化・高性能化を試みています。また、グルコースセンサに用いられる酵素は、pHや温度によって活性が変化してしまうため、測定条件が限られるという欠点があります。そこで当研究室では、非酵素型のグルコースセンサに着目し、金属酸化物を電極触媒として用いることで、良好なグルコース応答を示すことを見出しました。


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