物理化学Uでは、量子化学と統計力学を学びます。

教科書は「ゼロからの最速理解 量子化学」(コロナ社)をつかいます。「ゼロからの最速理解 量子化学」の訂正箇所
物理化学Tでは電子が一つの系しか扱いませんでしたが、物理化学Uでは複数の電子が現れます。複数の電子から成る系を扱うためには「近似」が必要になります。このような近似法を学ぶと同時に、物理化学Tで扱わなかった調和振動子や剛体回転子モデルや角運動量について考察し、さらに分子軌道法を学習していきます。

 後半では統計力学を学びます。これまでに学習してきた熱力学では、エネルギーの流れに注目し、対象となる物質を構成する分子がどのような振る舞いをしているかは問題にしませんでした。あらゆる物質は原子分子から構成されており、それらの運動によってエネルギーのやり取りが行われています。統計力学では、原子や分子を基にしたモデルを考え、それらが物理法則にしたがって運動すればどのような巨視的な物性が現れるかを考えます。ある現象の微細構造はどうなっているのかを物理学を武器にして調べる方法を学びます。

成績は試験の結果を重視します。出席はあまり考慮しません。なぜなら、授業に出る暇があったらその時間で自分で勉強した方がはるかに実力がつくからです。

試験の解答は、ただ計算とその結果を書くのではなく、解答の内容を他人に理解させることを念頭において丁寧な説明を書かなければならない。解答を読むのは「全てを知っている採点者」ではなく「ただの読者」であると想定するべきである。自分の考えを読者に理解させるにはどう書いたらいいか、という観点で解答を書けば、論述の能力を鍛えられる。自分の考えを相手に伝える能力はとても重要なものである。研究をした結果として、画期的な発見をしたとしても、その価値を他人に理解させられなければ何にもならない。理解されないまま埋もれて忘れられ、また誰か他の人が再発見することになるだろう。試験の答案の場合は、解答用紙の面積も時間も限られているので、思うこと全ては書けないだろうが、基本方針としては上記のことに気をつけるのがよい。相手にわからせることが大切である。普段の勉強で問題を解くときは、できる限り長い時間をかけてじっくり考えてみるべきである。一つの問題について一週間くらい考え続けてもいい。そういうやり方をすることで、本当の実力がどんどんついていく。

物理化学2-1過去問その1
物理化学2-1過去問その2
物理化学2-1過去問その3
物理化学2-1過去問その4
物理化学2-1過去問その5


物理化学2-2過去問その1
物理化学2-2過去問その2
物理化学2-2過去問その3