ニュートン力学を学ぶ際、その例題としてケプラーの法則がよく取り上げられているようです。ここでは この法則の導出方法について、数式と図を交えて説明します。
第2法則は惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は、一定であるというものです。
先程と同様にrベクトルを恒星から見た惑星の位置ベクトル、θを恒星を原点とした極座標系における惑星の角度としてこの法則を導いてみましょう。
時間tにおける惑星の位置ベクトルをr、時間t+δtにおける惑星の位置ベクトルをr+δr、δtの間に惑星が運動する角度をδθとすると、 惑星と太陽とを結ぶ線分が時間δtに描く面積δSは次式で近似できます。
ここでδθの定義よりδθ=δt・dδ/dtですから、(20)式は次のように変形できます。ここでcは(5)式で定義した定数です。
このδSは惑星と太陽とを結ぶ線分が時間δtに描く面積ですから、惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積はこの(21)式のδtを1(単位時間)に置き換えたもの、c/2に等しくなります。
以上より惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は、その惑星の位置にかかわらず一定の値となることが示されました。