東京理科大学 infoserv[更新日]1999.04.30


問16  プログラム設計に関する次の記述を読んで,設問 1 〜 3 に答えよ。

企業間取引における支払は,一般に現金及び手形で行われる。A 社の場合 は,現金,3 か月手形及び 4 か月手形の 3 種類に分割して支払われ,分割方法は, 支払明細ごとに決められる。

A 社では,この処理を行う支払分割プログラムを作成することになった。

〔支払明細ファイルの説明〕

(1) ファイルのレコード様式は,次のとおりである。

支払先コード  金額   区分 

(2) レコードは,“支払先コード”の昇順に整列されている。

(3) 支払う“金額”(正の整数値)と支払いの分割方法を指定する“区分”とが 格納されている。プログラムは,“区分”の値(“F”,“0”,“3”又は“4”)に 対応して処理を行う。

〔分割割合ファイルの説明〕

(1) ファイルのレコード様式は,次のとおりである。

支払先コード 現金の割合 3 か月手形の割合 4 か月手形の割合

(2) “支払先コード”をキーとする索引ファイルである。

(3) 支払先ごとの現金,3 か月手形及び 4 か月手形への分割割合が,合計で 100 %と なるように,百分率(0 〜 100 の整数値)で格納されている。

〔支払ファイルの説明〕

(1) ファイルのレコード様式は,次のとおりである。

支払先コード 現金の金額 3 か月手形の金額 4 か月手形の金額

(2) 支払先ごとに現金,3 か月手形及び 4 か月手形のそれぞれの金額を集計して 格納する。

〔プログラムの説明〕

(1) 支払明細ファイルを読み,次の条件に従って支払金額を分割する。

 支払明細ファイルのレコードの区分が“F”の ときは,“通常分割”として処理する。このときは,分割割合ファイルから分割割合を得て, 現金,3 か月手形及び 4 か月手形のそれぞれの金額を計算する。3 か月手形及び 4 か月手形 の場合は,小数点以下切捨てとし,支払明細ファイルの金額との差額は,現金の額で補正する。

 支払明細ファイルのレコードの区分が, “0”,“3”及び“4”のときは,“特別分割”として処理する。“0”のときは支払明細 ファイルの金額の全額を現金とし,“3”のときは全額を 3 か月手形とし,“4”のときは 全額を 4 か月手形とする。

 支払明細ファイルのレコードの区分が, “F”,“0”,“3”及び“4”以外のときは,エラーである。このときは,支払明細 ファイルの内容をエラーファイルに出力する。

(2) エラーとなった明細を除き,支払先ごとに現金の金額,3 か月手形の金額及び 4 か月手形の金額のそれぞれを集計し,支払ファイルに出力する。

(3) 入出力関連図を図 1 に,モジュール構造図を図 2 に示す。

図1 入出力関連図

図2 モジュール構造図

 

設問1 図 2 の第 3 階層及び第 4 階層の最下位のモジュールのうち,“区分”が 入力として必要なものを,解答群の中から選べ。

解答群

ア 集計処理    イ 通常分割    ウ 特別分割
エ 分割初期化    オ 明細エラー

設問2 図 3 は,主処理と明細分割の流れ図である。図中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

図3 主処理と明細分割の流れ図

a に関する解答群

ア 支払明細ファイルの終わり

イ 支払明細ファイルの金額 > 0,又は支払明細ファイルの終わり

ウ 支払明細ファイルの金額 ≦ 0

エ 支払明細ファイルの金額 = 0,又は支払明細ファイルの支払先コードが変わる

オ 支払明細ファイルの金額 = 0,かつ支払明細ファイルの支払先コードが変わる

カ 支払明細ファイルの金額の累計 ≦ 0,かつ支払明細ファイルの区分が変わる

キ 支払明細ファイルの金額の累計 ≦ 0,又は支払明細ファイルの終わり

ク 支払明細ファイルの区分が変わる,又は支払明細ファイルの終わり

ケ 支払明細 ファイル の支払先コードが変わる, 又は支払明細ファイル の終わり

コ 支払明細ファイルの支払先コードが変わる,又は支払明細ファイルの区分が変わる

b,c に関する解答群

ア (区分 ≠“0”)or(区分 ≠“3”)or(区分 ≠“4”)

イ (区分 ≠“F”)or((区分 ≠“0”)and(区分 ≠“3”)and(区分 ≠“4”))

ウ (区分 ≠“F”)or(区分 ≠“0”)or(区分 ≠“3”)or(区分 ≠“4”)

エ (区分 =“0”)or(区分 =“3”)or(区分 =“4”)

オ (区分 =“F”)or((区分 ≠“0”)and(区分 ≠“3”)and(区分 ≠“4”))

カ (区分 =“F”)or(区分 =“0”)or(区分 =“3”)or(区分 =“4”)

キ not((区分 ≠“0”)or(区分 ≠“3”)or(区分 ≠“4”))

ク not((区分 =“0”)or(区分 =“3”)or(区分 =“4”))

ケ 区分 ≠“F”

コ 区分 =“F”

 

設問3 図 4 は,通常分割の流れ図である。図中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。

〔通常分割の流れ図の説明〕

“金額”は,支払明細ファイルの値である。“3 か月手形の割合”, “4 か月手形の割合”は,分割割合ファイルの値である。除算の計算結果は, 小数点以下を切り捨てる。

図4 通常分割の流れ図

解答群

ア 金額 − w3

イ 金額 − w3 − w4

ウ 金額 − w4

エ 金額 ×(100 − 3 か月手形の割合 − 4 か月手形の割合)÷ 100

オ 金額 × 現金の割合 ÷ 100


東京理科大学 infoserv 戻る 次頁:問17