平成7年度 秋期 第二種 午後 問3〜問6

                        [更新日]1995.10.25
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃次の問3から問6までの4問については、この中から2問を選択し、答案用紙の選┃ ┃択欄の「選」を黒くマークして解答してください。              ┃ ┃ なお、3問以上選択した場合には、はじめの2問について採点します。    ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 問3 販売取引に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。 A株式会社では、各営業所の販売取引によって図1に示す受注伝票が発行され る。本社ではこの受注伝票とそれに関するデータを、次に述べる条件と出力要 求に基づいて、データベース化しようとしている。 [販売取引に関する条件] (1) 伝票番号は、営業所単位で重複なく付けられている。 (2) 1取引で取り扱う商品の種類は、1枚の伝票におさまるものとする。 (3) 商品には定価が決められている。しかし、営業所の裁量で、受注ごとに 値引率を設定できるので、単価がことなることがある。 (4) 商品名の重複はない。 (5) 商品は商品カテゴリに分類することができ、1商品は一つのカテゴリに 属している。 [想定される出力要求] (1) y1年m1月d1日からy2年m2月d2日までの間で、1取引の合計がZ円以上と なった伝票を営業所単位に抜き出し、合計の金額が大きいもの順に出力する。 (2) y1年m1月d1日からy2年m2月d2日までの間に、商品Bを納入した取引先名 とそれを販売した営業所名を出力する。 (3) 営業所ごと、商品カテゴリごと、月ごとの販売実績一覧表を作成する。 (4) 毎月、受注合計金額の大口取引先(上位30社)一覧表を作成し、値引実績 表とともに出力する。 (5) 営業所別に販売実績の前年同月比一覧表を作成する。 設問 A株式会社では、受注リレーショナルデータベースのスキーマを図2の ように考えた。図2中の[ ]に入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。 なお、図2中の下線を引いてある項目はキー項目である。 a〜cに関する解答群 ア 金額    イ 商品カテゴリ ウ 商品名 エ 単価    オ 定価     カ 伝票番号 キ 取引先名  ク 日付     ケ 明細番号 d、eに関する解答群 ア 営業所名  イ 金額     ウ 合計 エ 個数    オ 商品カテゴリ カ 定価 キ 取引先名  ク 値引率    ケ 日付
問4 データ通信に関する次の説明を読んで、設問1、2に答えよ。  パーソナルコンピュータにモデムを接続して、ホストコンピュータと 接続するための通信端末プログラムを作成した。使用する通信回線と通 信プロトコルの仕様を表1に示す。 表1 通信回線と通信プロトコルの仕様 ┌─────────────┬───────────────────┐ │回線種別         │公衆電話回線             │ ├─────────────┼───────────────────┤ │ダイヤル方式       │プッシュボタン信号(トーンダイヤル) │ ├─────────────┼───────────────────┤ │データ信号速度(通信速度)│2400bps            │ ├─────────────┼───────────────────┤ │同期方式         │調歩同期方式             │ ├─────────────┼───────────────────┤ │スタートビット      │1ビット               │ ├─────────────┼───────────────────┤ │データビット       │8ビット               │ ├─────────────┼───────────────────┤ │パリティビット      │なし                 │ ├─────────────┼───────────────────┤ │ストップビット      │1ビット               │ └─────────────┴───────────────────┘ 設問1 使用するモデムには、10個の設定スイッチがあり、通信の仕様を 決定するようになっている。モデムのマニュアルには表2のような 仕様が記載されていた。通信端末プログラムを動作させるために最 もよいスイッチの設定はどれか。 解答群の中から選べ。 表2 モデムの設定スイッチの仕様 回線仕様設定 ┌───┬─────────┬─────────┐ │   │   ON    │   OFF   │ ├───┼─────────┼─────────┤ │SW1│プッシュボタン信号│ダイヤルパルス信号│ ├───┼─────────┼─────────┤ │SW2│自動着信     │手動着信     │ └───┴─────────┴─────────┘ CD(Carrier Detect)信号の意味 ┌───┬─────────┬─────────┐ │   │   ON    │   OFF   │ ├───┼─────────┼─────────┤ │SW3│回線接続状態   │常に‘1’    │ └───┴─────────┴─────────┘ データ信号速度(通信速度)設定 ┌───┬───┬──────────────┐ │SW4│SW5│データ信号速度(通信速度) │ ├───┼───┼──────────────┤ │OFF│OFF│     600bps   │ ├───┼───┼──────────────┤ │ON │OFF│    1200bps   │ ├───┼───┼──────────────┤ │OFF│ON │    2400bps   │ ├───┼───┼──────────────┤ │ON │ON │    4800bps   │ └───┴───┴──────────────┘ データ形式設定 ┌───┬───────────┬───────────┐ │   │    ON     │    OFF    │ ├───┼───────────┼───────────┤ │SW6│ストップビット1ビット│ストップビット2ビット│ ├───┼───────────┼───────────┤ │SW7│パリティビットなし  │パリティビットあり  │ ├───┼───────────┼───────────┤ │SW8│偶数パリティ     │奇数パリティ     │ └───┴───────────┴───────────┘ データ長設定 ┌───┬────┬────┐ │SW9│SW10│データ長│ ├───┼────┼────┤ │OFF│OFF │5ビット│ ├───┼────┼────┤ │ON │OFF │6ビット│ ├───┼────┼────┤ │OFF│ON  │7ビット│ ├───┼────┼────┤ │ON │ON  │8ビット│ └───┴────┴────┘ 解答群 ┌─┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┬────┐ │ │SW1│SW2│SW3│SW4│SW5│SW6│SW7│SW8│SW9│SW10│ ├─┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼────┤ │ア│OFF│OFF│OFF│ON │OFF│ON │ON │OFF│ON │ON  │ ├─┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼────┤ │イ│OFF│OFF│OFF│ON │ON │OFF│OFF│OFF│OFF│ON  │ ├─┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼────┤ │ウ│ON │OFF│ON │OFF│OFF│OFF│OFF│ON │OFF│ON  │ ├─┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼────┤ │エ│ON │OFF│ON │OFF│ON │ON │ON │OFF│ON │ON  │ ├─┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼────┤ │オ│ON │OFF│ON │ON │ON │ON │OFF│ON │OFF│OFF │ └─┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴────┘ 設問2 この通信端末プログラムは、受信文字を画面と同期してプリンタに印字 することができる。プリンタへのデータ出力速度は、40文字/秒(1文字 は8ビット)である。文字が連続受信された場合に、受信バッファがオー バフローしてしまうのを避けるため、XONコード、XOFFコードという伝送 制御文字を用いたフロー制御を行う。このフロー制御に関する次の説明文 中の[ ]に入れる 正しい答えを、解答群の中から選べ。 XOFFコードは送信の一時停止、XONコードは送信の再開をホストコンピュータ に指示する伝送制御文字である。接続先のホストコンピュータは、XOFFコード を受信すると0.5秒以内に送信を一時停止する。0.5秒の間に、通信端末プログ ラムの受信バッファに到着する可能性のあるデータのバイト数は約[ a ]バイ トである。しかし、同じ時間の間にプリンタへ出力できるデータのバイト数は 、約[ b ]バイトなので、通信端末プログラムは、受信バッファの残り容量が 約[ c ]バイトになった時にはXOFFコードを発信しなければならない。 解答群 ア 20 イ 40 ウ 80 エ 100 オ 120 カ 130 キ 150
問 5 計算機システムの信頼性に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。 東京、新潟、名古屋、大阪を、図のように回線で接続したオンラインシステ ムがある。 図中のA〜Dは回線を、数値及びαは回線の信頼度を示す。 設問1 次の記述中の[ ]に入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。 答えは小数点以下3けた目を四捨五入して求めよ。 東京・名古屋間は、直結ルート(回線A)と、新潟経由のう回ルート(回線 B・C)をとることができる。回線Aの信頼度αを0.9とすると、東京・大阪間の 信頼度は[ ]となる。 解答群 ア 0.50 イ 0.61 ウ 0.77 エ 0.84 オ 0.97 設問2 次の記述中の[ ]に入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。 名古屋・大阪間の信頼度を0.9以上とするために、名古屋・大阪間にもう1本回線を引き 複線にする場合、新規に引く回線の信頼度は[ ]以上でなければならない。 解答群 ア 0.5 イ 0.6 ウ 0.7 エ 0.8 オ 0.9 設問3 次の記述中の[ ]に入れる正しい答えを、解答群の中から選べ。 回線Aの信頼度αが0.9であるかどうか調べるために、回線Aの障害のデータ を収集したところ、表の結果が得られた。この結果から計算すると、回線Aの 故障率は[ a ]であり、信頼度は[ b ]。 表 東京・名古屋間(回線A)の回線障害データ ┌─────────────────────┬───┬───┬───┬───┬───┐ │障害の順番                │  1│  2│  3│  4│  5│ ├─────────────────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │前回の障害回復時から障害発生までの経過時間│104│ 92│ 88│113│103│ ├─────────────────────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │障害の回復にかかった時間         │  6│  2│  7│  2│  3│ └─────────────────────┴───┴───┴───┴───────┘ 単位:時間 aに関する解答群 ア 0.01 イ 0.04 ウ 0.1 エ 0.25 オ 0.4 bに関する解答群 ア 0.9より小さい イ 0.9である ウ 0.9より大きい
問 6 グラフや統計によるデータの分析に関して、設問1〜4に答えよ。 ある食品販売会社では、データベースに蓄積した製品の売上げデータなどを 端末から検索し、様々なグラフで表示したり、統計分析をするシステムを完成 させた。営業部門では、このシステムを用いてデータを分析し、販売に役立て たいと考えている。表示できるグラフは次の4種類であり、一つの画面に複数 のグラフを同時に表示できる。 データベースの構造の一部を示すと、次のようになっている。 ┌─┬─┬─────┬───────────────────┐ │ │ │     │        売上高        │ │年│月│支店コード├───┬───┬───┬───┬───┤ │ │ │     │商品1│商品2│ … │商品n│合 計│ ├─┼─┼─────┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ │ │     │   │   │   │   │   │ │ │ │     │   │   │   │   │   │ └─┴─┴─────┴───┴───┴───┴───┴───┘ ┌─┬─┬─────┬─────┐┌─────┬─────┬─────┬───┐ │年│月│支店コード│月平均気温││支店コード│社員コード│職種コード│氏 名│ ├─┼─┼─────┼─────┤├─────┼─────┼─────┼───┤ │ │ │     │     ││     │     │     │   │ │ │ │     │     ││     │     │     │   │ └─┴─┴─────┴─────┘└─────┴─────┴─────┴───┘ 図2 データベースの構造 設問1 全国に12ある支店について、支店ごとの営業職社員1人当たりの年間売 上高を比較したい。どのようなグラフで表示したらよいか。適切なものを 解答群の中から選べ。 解答群 ア 各支店の営業職社員ごとの年間売上高の割合を示す12個の円グラフ イ 横軸を支店、縦軸を営業職社員の年間売上高の平均値とする散布図 ウ 横軸を支店、縦軸を営業職社員の年間売上高の平均値とする棒グラフ エ 横軸を支店、縦軸を各支店の総年間売上高とする棒グラフ オ 横軸を商品、縦軸を各支店の総年間売上高とする12個の棒グラフ 設問2 設問1において、グラフのもとになる数値を計算するために、図2で示し たデータベースの表の中の項目で最小限必要となるものはどれか。適切な ものを解答群の中から選べ。 解答群 ア 年、支店コード、社員コード、売上高合計 イ 年、支店コード、社員コード、職種コード、売上高合計 ウ 年、支店コード、職種コード、売上高合計 エ 年、社員コード、売上高合計 オ 年、社員コード、職種コード、売上高合計 カ 年、職種コード、売上高合計 設問3 この会社では、5種類の清涼飲料水を販売していて、1年間の月別の売上 高の変化を見たい。最も適切なグラフを解答群の中から選べ。 解答群 ア 商品ごとの円グラフ。一つの円グラフでは、一つの商品の各月の売上高の割合を示す。 イ 月ごとの円グラフ。一つの円グラフでは、五つの商品の売上高の割合を示す。 ウ 横軸を商品、縦軸を売上高とする棒グラフ エ 横軸を月、縦軸を商品ごとの売上高とする折れ線グラフ オ 横軸を月、縦軸を商品ごとの売上高とする散布図 設問4 設問3のグラフの月別の変化を見ると、夏に売上げが伸びた商品と、冬 に伸びた商品とがあった。このために、気温との関係がどれくらいあるか、 回帰分析を用いて調べることにした。回帰分析では、次の式で表される係 数a0、a1をデータから求めることで、説明変数の被説明変数への影響を調 べることができる。 被説明変数=a0+a1×説明変数 ここでは、地域による気温差があるために、支店ごとに月別売上げと月平 均気温との関係を調べた。被説明変数と説明変数の組合せで、適切なもの を解答群の中から選べ。 解答群 ┌─┬─────────┬───────────┬─────────┐ │ │ 式の数     │ 被説明変数     │ 説明変数    │ ├─┼─────────┼───────────┼─────────┤ │ア│1支店につき1個、│月別支店別売上高   │支店別月平均気温 │ │ │合計12個    │(五つの商品の合計) │         │ ├─┼─────────┼───────────┼─────────┤ │イ│商品ごと、支店ごと|月別支店別商品別売上高│支店別月平均気温 │ │ │に1個、合計60個│           │         │ ├─┼─────────┼───────────┼─────────┤ │ウ│1商品につき1個、│月別商品別売上高   │月平均気温(12の│  │ │合計5個     │           │支店の平均をとる)│ ├─┼─────────┼───────────┼─────────┤ │エ│全体で1個    │月別売上高      │月平均気温    │  └─┴─────────┴───────────┴─────────┘
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