古川研究室 - ディジタル信号処理

ディジタル信号処理

●ディジタル信号処理では、音声や画像といった情報をコンピュータで処理しやすい電気信号のかたちで取り扱い、信号の持つ波形の特性を利用し、さまざまな処理を行う。コンピュータを用いて、ある音声波形を相殺する信号（キャンセル音）を人為的に作り出すことにより理論的に音を消すことが可能となる。この理論を応用したものに、「エコーキャンセラ」や「ノイズキャンセラ」がある。

ディジタル信号処理の用途

● エコーキャンセラ
エコーキャンセラは、テレビ会議や電話機のハンズフリー通話の際、自分の声が相手側のスピーカーからマイクに入り、再度自分のスピーカーに返ってくるという現象（エコー）をなくす技術。
● ノイズキャンセラ
ノイズキャンセラは、環境騒音などのノイズを含んだ音声信号からノイズ成分だけを取り除き、聞きやすい音声だけを抽出する技術。自動車の室内騒音除去、ホームオートメーションシステム、医療用では胎児の心音を聞くためのシステムなどに応用されている。

ディジタル信号処理の具体例

＜エコーキャンセラ＞
● 通話中のエコーを消去する場合
話者Ａの音声を話者Ｂに伝送する。
エコーキャンセラがない場合、話者Ｂのスピーカーからは話者Ａの音声が発せられる。
続けて話者Ｂが音声を伝送する場合、マイクから入力する音声には先ほどの話者Aの音声がエコーとなって混ざってしまうことになる。

エコーキャンセラを使用した場合、話者Ａの音声を取り込んだ際にエコーキャンセラが話者Ａの音声を打ち消すための音波（消音波）をリアルタイムに計算し、キャンセル音（消音波）を作り出すことで話者Ａのエコーと消音波とを相殺する。エコーを除去した結果、聞きたい音（話者Ｂの音声）をクリアに聞くことが可能となる。

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