2025年度
第1回神楽坂幾何学セミナー
講演者: 廣田祐士 (麻布大学大学獣医学部総合科学部門・准教授)
講演タイトル: Lie亜代数による対称性と一般化された運動量写像について
開催日時: 2025年7月12日(土), 16:00〜17:00
開催場所: 東京理科大学神楽坂キャンパス(222教室)
講演アブストラクト:運動量写像の理論は, 対称性をもつ空間の研究において重要な役割を果たし, これまでに様々な方向へ拡大$\cdot$発展してきた.
運動量写像は主にリー群による作用を仮定するのが一般的であるが, 2010年代初頭にLie亜代数による対称性が, C. Blohmann と M.
C. Fernandes, A. Weinstein によって発見されたことを機に,従来の運動量写像の概念をさらに拡張する必要性が高まった.
彼らが勘案した運動量写像の一般化を, 運動量切断 (momentum section)とよぶ.
本講演では, (前)シンプレクティック多様体に対して定義される運動量切断を, 高次シンプレクティック多様体へと拡張した結果を紹介する. 具体的には, K. Galicki と H. B. Lawson による四元数ケーラー多様体の運動量写像がその枠組みで記述できることを見る. さらに, 適当な条件の下で, 運動量切断の零軌道に対してシンプレクティック幾何におけるMarsden-Weinstein 簡約定理と類似の結果が成立することを見る.
本講演は, 池田憲明氏(立命館大学)との共同研究に基づく.
過去のセミナーの記録
過去の記録
組織委員: 小池直之,田中真紀子,廣瀬進,佐古彰史,馬場蔵人,山川大亮,
新田泰文,大橋久範,大山口菜都美,梶ヶ谷徹,藤井知輝,木村直記