粒子法の研究

1.MPS法に基づく固気液三相流計算手法の開発と精緻化

Development of Numerical Procedure fo Gas-Liguid-Solid Three-Phase Flow Based on MPS Method

 現在のCFDの主流はオイラー法に基づく格子法であるが,近年,ラグランジュ法に基づき,作動流体を球体要素の集合として離散化を行う粒子法が注目を集めている.粒子法は,ラグランジュ的手法であることから,数値拡散の原因となる対流項を扱う必要が無く,また,界面の変形が計算点の移動により直接表現され,界面にあわせた格子の再生成も必要ないという特徴を持っている.これらの特徴から,特に自由界面の大変形や微小スケールの現象が系全体に大きな影響を与えるケースへの適用性が高い.本研究では,界面の扱いに特化した粒子法の特性に着目し,粒子法の一種であるMPS法に基づいて,各相間のカップリングを独立に行うことのできる固気液三相流計算手法の構築・精緻化を行う.

2.粒子法を用いた過冷却液滴衝突シミュレーション

 昨今、飛行中に起こる航空機への着氷現象によって,深刻な被害を及んでいることが知られています.そのため航空機の開発において着氷による空力性能の変化や着氷形状の予測のための数値シミュレーションを行うことは重要な役割を担っています.私の研究では,粒子法に着目し,着氷予測のための数値シミュレーション手法の開発を行っています.粒子法とはある流体を小さな粒子の集まりとして数値計算を行う手法です。この手法を用いることで他の計算方法よりも複雑な氷形状の再現が期待されています。

3.タービン翼における溶融液滴の付着シミュレーション

Numerical Simulation on Deposition Phenomena of Molten Droplets on Turbine Vane

 単一溶融液滴の凝固は、多様な分野へ応用の出来るものです。本研究では、航空機のエンジンが地上付近で吸い込んでしまった砂などの粒子が、内部の高温で溶かされ、エンジン内部の翼に付着し翼形状を変形させてしまうというデポジション現象に焦点を当て、研究を進めています。また、粒子法と呼ばれる手法を用いて解析を行っています。この粒子法を用いることで、より現象えを精密に再現することができます。