卒業研究
Undergraduate Research2021年度 卒業研究
使用する教科書は『平均曲率流 — 部分多様体の時間発展』(共立出版)に決定しました。質問のある方はメールでご連絡ください。お答えします。
平均曲率流とは
For Students平均曲率流とはどのようなものであるかを、ユークリッド空間内の曲面を例にとって説明します。一言で述べると、平均曲率流とは、初期データとして選んだユークリッド空間内の曲面 \(S_0\) を、平均曲率ベクトル場(単位法ベクトル場の平均曲率倍)の方向へ変形していくことにより得られる曲面の族 \(\{S_t\}_{0 \leqq t < T}\) のことです。
平均曲率流を用いた興味深い研究方法を一つ紹介します。ある良い性質*をもつ曲面の存在を示すために、まず、既に存在が保証されているある程度良い性質をもつ曲面を \(S_0\) として選びます。次に \(S_0\) を発する平均曲率流 \(\{S_t\}_{0 \leqq t < T}\) が \(T = \infty\) まで存在することを示し、さらに \(t \to \infty\) のとき \(S_t\) が求めたい良い性質*をもつ曲面に収束することを示します。その結果、良い性質*をもつ曲面の存在が示されるという方法です。
分野としては微分幾何学と偏微分方程式論の狭間の分野であり、平均曲率流はポアンカレ予想の解決に用いられたリッチ流と密接な関係にあります。7つのミレニアム懸賞問題の一つである3次元ポアンカレ予想は、 2002年にペレルマンによって解決されました。その解決に用いられたのがリッチ流方程式とよばれる擬放物型非線形発展方程式の解の研究です。一方、私の研究している平均曲率流方程式も、リッチ流方程式と同種の擬放物型非線形偏微分方程式です。
シンプルな例:\(M\) が円周で \((N, g)\) が2次元ユークリッド平面、初期図形が楕円の境界線の場合、これを発する平均曲率流は小さく、かつ、まん丸くなりながら1点に崩壊します。 研究室発のシミュレータ でその様子を観察できます。
学生の方々へのメッセージ
Messages講演資料
Talk Materials日本数学会2011年度会(3月)の一般講演で使用する予定であった資料です。