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椎名勇教授の「高純度な薬の合成」に関する研究成果を朝日新聞などが紹介

本学 理学部第一部 応用化学科、総合研究機構 キラリティー研究センター・センター長 椎名 勇 教授の研究チームによる「触媒反応で消炎鎮痛剤の不純物を有効成分に変える方法」が2012年10月29日付の『朝日新聞』などで紹介されました。
椎名教授らの研究グループは、「不斉エステル合成法」および「混合酸無水物ラセミ化法」という2つの新しい触媒反応を用いて、光学活性(キラル)なカルボン酸である高純度の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の製造に世界で初めて成功しました。
NSAIDsはアスピリンと同様の効能を持ち、様々な病院薬や市販薬の主成分として多方面で大量に使用されています。例えば、風邪の総合感冒薬の解熱成分、花粉症や結膜炎などの目薬、痛風や腰痛などの関節症薬、歯痛薬、湿布薬、痔痛薬などの消炎鎮静剤に含まれている「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」などが有名です。
現在、採算が合わないために不純物が半分含まれたまま市販されているラセミ体の NSAIDsも、この技術を用いることでキラル化合物へと高純度化することが可能になり、薬効を倍増させた消炎鎮痛剤の開発が実現できると期待されています。
本研究成果の内容は2012年10月9日発行の英国化学会の学術誌(Catalysis Science & Technology, 2012, 2, 2200-2205)に掲載されました。本論文は編集部に高く評価されCGデザインが当該号の表紙に選定されるとともに「Hot Article」として特別配信されています。詳細は掲載紙面およびYouTubeをご覧ください。

掲載紙

『朝日新聞』 2012年10月29日付(朝刊科学面)
『日刊工業新聞』 2012年10月26日付
『化学工業日報』 2012年10月10日付
『薬事ニュース』 2012年10月19日付
『THE DOCTOR』 2012年10月22日付

YouTubeによる公開

タイトル : 東京理科大学研究成果 椎名勇教授 記者会見(2012年10月09日)
動画説明 : 従来の2倍の純度で、非ステロイド性抗炎症薬を合成することに成功
URL : http://youtu.be/fy_Zy8hKzDc

椎名研究室のページ
研究室のページ: http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/shiina/indexj.html
大学公式ページ: http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?19ed