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矢島博文教授の「阿蘇山鉱物の放射線遮蔽効果」に関する研究成果を日経産業新聞などが紹介

本学教員の「阿蘇山鉱物の放射線遮蔽効果」に関する研究成果を日経産業新聞などが紹介しました。
本学理学部第一部応用化学科矢島博文教授らの研究チームは、熊本県阿蘇山カルデラに堆積した酸化鉄を主成分とする「阿蘇黄土リモナイト」に放射線セシウムから出るガンマ線を遮蔽する効果があることを発見しました。
東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で部分的に高い放射線量が検出されたホットスポットにおいて、1平方メートルに2センチの厚さで阿蘇黄土リモナイトを散布して効果を試したところ、散布前の空間線量毎時0.58マイクロシーベルトが0.15マイクロシーベルトに低下することが確認できました。
リモナイトは阿蘇山周辺に特有の鉱物で、噴火で出たマグマのミネラル分や鉄を多く含んでいます。主成分の鉄には、ガンマ線などの放射線を散乱させる効果があります。土壌中のセシウムが農作物へ移行するのを防ぐために、ゼオライトやカリウムが検討されていますが、これらに遮蔽効果を持つ阿蘇黄土リモナイトを組み合わせれば、効果的な放射線対策が期待できます。
現在、阿蘇黄土リモナイトは脱硫剤や水質浄化剤などとして利用されており、畜産飼料向けの価格は1キログラムあたり200円程度であることから、放射線対策で使う場合には半分程度の価格に出来る可能性があります。

詳細は各紙をご覧ください。

掲載紙

『日経産業新聞』   2013年2月1日付
『日刊工業新聞』   2013年2月1日付

※詳しい研究成果の内容はこちら

矢島研究室のページ
研究室のページ: http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/yajilab/
大学公式ページ: http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?837