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矢島博文教授がヨウ素学会賞を受賞

本学教員がヨウ素学会賞を受賞しました。

受賞者 : 理学部第一部応用化学科 教授 矢島 博文

受賞内容 : これまで「多様な結合様式をもつ天然多糖類とヨウ素との錯形成と呈色機構」に関する分光および構造研究を系統的におこない、そのなかで「α1,4/α1,6-グルカン澱粉ヨウ素反応はなぜ青くなるか?」の解明、「β1,3-グルカンのカードランとヨウ素の錯形成法の確立とその物理化学的特性」、および「β1,4-グルカンのセルロース/キトサンとヨウ素の錯形成法の発見」と「キトサン・ヨウ素錯体の熱履歴効果および分子集合性伸張構造形成」等を究明した。これらの成果をもとに、キトサンとヨウ素の生理的・薬理的機能に着目し、その錯形成を活用した薬物キャリア(DDS)等の生体適合性医用材料の創製を目指した。そのため、キトサンをPEG等の親水性ポリマーで修飾し、グラフトおよびブロック共重合体を合成した。その共重合体とヨウ素の複合体は100 nm程度の粒径をもつナノゲルあるいは高分子ミセルを形成し、細胞内pH環境下で、ヨウ素を徐放するとともに、ヨウ素の殺菌効果を発現した。また、キトサン・ヨウ素複合体は温度応答性高分子であるPNIPAAmとの共重合化により、環境応答性が付与され、温熱療法用薬物キャリアとしての応用が期待できるまでに至った。この成果は、ヨウ素のDDS応用への道を開くとともに、新たなDDS材料への可能性を示唆した。以上より、ヨウ素に関する基礎および応用研究分野の向上ならびに発展に貢献したと評価された。

※本件は9月2日付化学工業日報で紹介されました。上記内容の詳細は こちら よりご覧ください。

発表題目 : 分子集合性β1,4-グルカン・ヨウ素複合体を利用した環境応答性ナノバイオ材料の創製とその医療展開

受賞日 : 2013年9月18日


公益社団法人 ヨウ素学会 ホームページ
http://fiu-iodine.org/

矢島研究室のページ
研究室のページ: http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/yajilab/
大学公式ページ: http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?837