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駒場 慎一教授らがナトリウムイオン電池の国際的な研究開発の歴史と最新研究動向をまとめた総説が米国化学誌『Chemical Reviews』に掲載

本学理学部第一部応用化学科 駒場 慎一教授、同総合研究機構 久保田圭助教らの研究グループは、ポストリチウムイオン電池として、ナトリウムイオン電池に関する研究を進めています。ナトリウムイオン電池の国際的な研究開発の歴史と最新研究動向をまとめた総説が、化学総説の最高峰に位置づけられている米国化学誌『Chemical Reviews』( http://pubs.acs.org/journal/chreay)に、2014 年 11 月 12 日付で 掲載されました。

論文掲載ページ: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cr500192f

「リチウム及び次世代二次電池」を特集した本号での掲載は、ナトリウムイオン二次電池が次世代二次電池として評価されていることの現れであり、蓄電池分野での日本人の論文掲載は今回が初めてとなります。本総説はナトリウムイオン二次電池の正極及び負極材料を網羅し、組成・構造・反応メカニズムで分類してまとめたものです。これまで駒場教授らの研究グループは、現在高性能電池に広く用いられているリチウムの代わりとして、資源が豊富なナトリウムを電気エネルギー貯蔵に利用するという基礎研究を 2005 年から進めており、これまでに炭素材料と層状酸化物を用いることにより、リチウムを全く用いずに常温で作動する新しいエネルギーデバイス「ナトリウムイオン電池」の立証に成功しました。その成果は 2011 年 8 月に独国科学雑誌 『Advanced EnergyMaterials』に掲載されています。さらに、鉄、マンガン、ナトリウムという資源が豊富な元素を組み合わせることでレアメタルフリー構成を実現し、高いエネルギー密度を示す新規鉄系層状酸化物の創製に成功しました。その成果は 2012 年 4 月に英国科学雑誌『Nature Materials』に掲載され、世界中から大きな注目を集めました。
詳細につきましては、リンクの参考資料をご参照ください。

東京理科大学 研究戦略・産学連携センター
http://www.tus.ac.jp/ura/pressrelease/pdf/141128.pdf

駒場教授のページ
研究室のページ: http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/komaba/
大学公式ページ: https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?486f