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椎名 勇教授が平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞

本学理学部第一部 応用化学科 椎名 勇教授が平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞しました。

この表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とするものです。
その中でも科学技術賞 開発部門は我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与する画期的な研究開発若しくは発明であって、現に利活用されているものを行った個人若しくはグループ又はこれらの者を育成した個人に与えられます。

受賞者 : 理学部第一部応用化学科 教授 椎名 勇

受賞テーマ : 医薬品と新素材の高効率生産を可能にした脱水縮合反応の開発

受賞内容 : 有機化合物から二つの水素原子と一つの酸素原子を一挙に取り除き、二つの物質を連結させる構造変換手段は脱水縮合反応と呼ばれる。この方法は医薬品の基本骨格を構築する際に利用されるが、従来技術は一般に過酷な反応条件を必要とするため、新薬の探索研究時に原料が損壊する等の大きな問題を残していた。
本開発では、脱水縮合反応の効率化を試み、4-トリフルオロメチル安息香酸無水物、1-ヒドロキシピリドン炭酸無水物、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物に代表される新しい試薬を設計し、これらを促進剤とするカルボン酸誘導体の合成法を確立した。
本開発により、有害な金属触媒や激しい反応条件を用いることなく、極めて穏やかな環境下で迅速に望みの化合物を得ることが可能となった。特に、鎖状の原料を環状構造へ導く際にその威力を最大限に発揮し、従来は供給困難とされた不安定分子さえも容易に生産できることが分かった。
本成果は、新型マクロライド系抗生物質、分子標的抗がん剤、糖尿病治療薬ならびに抗インフルエンザ治療薬の合成等で幅広く活用されている。さらに、医薬品製造のみならず、ポリマー表面改質や有機発光材料の探索にも利用されており、我が国の機能性物質の創製分野に寄与している。

受賞日 : 2015年4月15日


文部科学省のプレス発表ページ:
http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1002/%28ISSN%291528-0691/homepage/2920_mostaccessed.html

椎名研究室のページ
研究室のページ: http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/shiina/indexj.html
大学公式ページ: http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?19ed