お知らせ

宮永紘汰君(大塚研究室 修士1年)高分子学会「第48回医用高分子シンポジウム」において受賞

宮永紘汰君(大塚研究室 修士1年)高分子学会「第48回医用高分子シンポジウム」において学生奨励発表優秀賞を受賞しました。

受賞者: 理学研究科 化学専攻 修士課程1年 宮永 紘汰

指導教員: 理学部第一部 応用化学科 教授 大塚 英典
                     理学部第一部 応用化学科 助教 大澤 重仁

受賞題目: 軟骨組織再生のための軟骨スフェロイド三次元ゲル培養および細胞機能評価

受賞内容: 高齢化に伴い、関節軟骨疾患の罹患率が増加している。軟骨組織は血管がなく自己再生能力に乏しい組織である。そのため、効率の良い治療法の開発が求められている。現在では、アテロコラーゲンゲルを足場材料として用いた軟骨細胞移植治療の臨床応用が進められているが、軟骨細胞の肥大化、炎症の惹起など解決すべき課題がある。これらの問題は、移植された細胞の環境が実際の組織とかけ離れているためであると考えられ、本研究では、これらの差を埋めることによって、より効率的な治療法の確立を目指す。生体内環境での細胞、組織は、細胞-細胞外マトリックス(cell-ECM)間相互作用と、細胞-細胞(cell-cell)間相互作用を持つが、現状臨床応用が進められているアテロコラーゲンゲル中での分散培養系では、細胞-アテロコラーゲンゲル間で誘起されるcell-ECM間相互作用はあれど、特にcell-cell間相互作用については希薄であると考えられる。そこで、本研究では、cell-cell間相互作用の向上、加えてcell-ECM間相互作用がはたらく三次元足場中での培養が可能であるといった観点より、球状の細胞塊であるスフェロイドを作製し、アテロコラーゲンゲル中でのスフェロイド培養を検討した。このスフェロイドのアテロコラーゲンゲル培養では、軟骨組織形成に重要なグリコサミノグリカン産生量や関節軟骨組織に特徴的な遺伝子発現量は、従来のアテロコラーゲン中での培養系と比較して顕著に向上した。

受賞日: 同上

高分子学会ホームページ: http://main.spsj.or.jp/c12/gyoji/biomedical.php

大塚研究室
大塚教授のページ: https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?3f8f
大澤助教のページ: https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?6fdb
研究室のページ: https://www.rs.kagu.tus.ac.jp/otlabo/

190 220