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川﨑常臣准教授らの論文がJournal of the American Chemical Society誌のSupplementary Coverに選出

アキラルな化合物であっても、そのエナンチオトピックな置換基の一方を同位体で標識するとキラルとなります。天然には同位体がある割合で含まれるので、ほとんどの化合物は同位体不斉を有します。今回の論文では、重水素置換によりキラルとなるS-およびR-アミンを不斉合成しました。これらのアミンを用いてストレッカー合成をおこなうと、S-アミンからはL-アミノニトリルが、R-アミンからはD-アミノニトリルが、不斉増幅ののちに高い純度で得られてきました。加水分解するとアミノ酸に変換できますので、水素・重水素同位体不斉と高鏡像体過剰率のアミノ酸とをストレッカー合成によって関連づけることに成功しました。また、水素同位体置換により生じるジアステレオマーに溶解度の違いがあることを定量的に明らかにしました。

選出者 : 理学部第一部 応用化学科 准教授 川崎常臣
      理学研究科 化学専攻 修士課程修了 久保宏樹
      理学研究科 化学専攻 修士課程修了 西條太規
      理学研究科 化学専攻 修士課程 横井凜太郎

論文名 :Quantitative Difference in Solubility of Diastereomeric (2H/1H)-Isotopomers.
著者 :Tsuneomi Kawasaki,* Hiroki Kubo, Satoshi Nishiyama, Taiki Saijo, Rintaro Yokoi, Yuji Tokunaga
掲載誌 :Journal of the American Chemical Society, 2021年, 143巻, 46号, 19525-19531ページ

■掲載論文: https://doi.org/10.1021/jacs.1c09253
(オープンアクセス)

■掲載日:2021年11月5日

■研究室のページ
川﨑研究室のページ: https://www.rs.tus.ac.jp/tkawa/index.html
川﨑准教授のページ: https://www.tus.ac.jp/academics/teacher/p/index.php?443A