水分解のための光触媒電極の開発
光触媒は一般に粉末状で使われています。これを薄膜上の電極にできれば、その材料のエネルギー的知見が得られたり、その応用範囲も広がったりします。また、粉末光触媒とは違った光電池による水の分解反応も可能となります。そこで、当研究室で開発した光触媒材料を使って電極を作製し、その光電気化学特性を調べるとともに、このようなシステムを用いて、図1のようなソーラー水分解を行っています。
当研究室ではこれまでに、SrTiO3:Rh光触媒電極や(CuGa)0.8Zn0.4S2光触媒電極、RGO-CuGaS2光触媒電極、(CuGa)0.8Zn0.4S2光触媒電極、Cu3Nb0.9V0.1S4光触媒電極と、BiVO4電極を組み合わせた光電池が、外部バイアスを印加しなくても、ソーラー水分解に活性を示すことを見いだしてきました。

参考文献
- Q. Jia, K. Iwashina, A. Kudo, P. Natl. Acad. Sci. USA 2012, 109, 11564.
- H. Kaga, Y. Tsutsui, A. Nagane, A. Iwase, A. Kudo, J. Mater. Chem. A 2015, 3, 21815.
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- T. Kato, Y. Hakari, S. Ikeda, Q. Jia, A. Iwase, A. Kudo, J. Phys. Chem. Lett. 2015, 6, 1042.
- S. Ikeda, N. Aono, A. Iwase, H. Kobayashi, A. Kudo, ChemSusChem 2019, 12, 1977.