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二酸化炭素の資源化を目指した光触媒反応の開発

二酸化炭素を還元して有用な化合物が得られれば、環境および資源問題に対して、一石二鳥の解決法になります。そこで、水と二酸化炭素を原料とし、太陽光を用いてソーラー燃料や有機化合物を製造する光触媒や光電極の開発を目的としています。この反応はまさに人工光合成であり、学術的および社会的に重要なテーマであることから、世界中で活発に研究が行われています。当研究室では、これまでに、BaやSrをドーピングしたNaTaO3やBaLa4Ti4O15光触媒などの水分解に高活性を示すバンドギャップの大きい光触媒に対して、図1および図2に示すようにAg助触媒を担持すると、紫外光照射下で、水および二酸化炭素から、水素と一酸化炭素を高効率に生成することを見いだしてきました。

図1 Agを担持したBaLa4Ti4O15
図2 Ag/NaTaO3:Baを用いた二酸化炭素還元

さらに図3のように、金属硫化物を水素生成光触媒、RGO/BiVO4コンポジットを酸素生成光触媒として用いると、可視光照射下でZ-スキーム型二酸化炭素還元反応が進行することを見いだしてきました。また、SrTiO3:Rhを水素生成触媒、BiVO4を酸素生成光触媒として用いると、可視光照射下でZ-スキーム型二酸化炭素還元反応が進行することも見いだしてきました。

図3 光電極を用いた水分解

参考文献

  1. H. Nakanishi, K. Iizuka, T. Takayama, A. Iwase, A. Kudo, ChemSusChem 2017, 10, 112.
  2. K. Iizuka, T. Wato, Y. Miseki, K. Saito, A. Kudo, J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 20863.
  3. T. Takayama, K. Tanabe, K. Saito, A. Iwase, A. Kudo, Phys. Chem. Chem. Phys. 2014, 16. 24417.
  4. T. Takayama, A. Iwase, A. Kudo, Bull. Chem. Soc. Jpn. 2015, 88, 538.
  5. A. Iwase, S. Yoshino, T. Takayama, Y. H. Ng, R. Amal, A. Kudo, J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 10260.
  6. S. Yoshino, K. Sato, Y. Yamaguchi, A. Iwase, A. Kudo, ACS Appl. Energy Mater. 2020, 3, 10001.
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